マーケティング関連職種まとめ。仕事内容から必要なスキルまで、徹底解説します。

「マーケティング系の職種につきたい」と考えている人に対して、具体的にどんな仕事をしたいのかと聞くと、具体的な職務内容までイメージ出来ている人は少ないのが現状です。

マーケティング系職種といっても、その種類は様々です。
そこで今日は、マーケティング関連職種についてまとめました。

マーケティング・Webマーケティング・デジタルマーケティングの違いが分からない方、マーケティング関連の仕事に興味はあるが、業態や職種を知らないという方にピッタリの内容です。

そもそも、マーケティングとは?

「マーケティング」という言葉は定義がとても曖昧ですが、
一言で表すと「企業が消費者に対して価値(商品の購入など)を提供するために行う取組み」のことです。

ひと昔前は、モノを安く販売すれば商品が売れる時代でした。
その後、IT革命により「モノ」や「情報」が溢れるようになり、自社の商品が選ばれるためには、競争優位性や独自のブランドを築き上げることが必要になりました。

現在では、インターネット回線の高速化、スマートフォンの普及により、Webマーケティング・デジタルを用いたマーケティング活動が主流になりつつあり、マーケティング”手法”も大きく変化しています。

変わりつつあるマーケティング手法に合わせて、消費者に適切なアプローチを行うことは容易ではありません。

また、そのアプローチ手法は多岐にわたります。
次の項目では、それぞれのマーケティング手法の意味と違いを解説します。

マーケティング、Webマーケティング、デジタルマーケティングそれぞれの意味・違いについて

マーケティング

他用語との違いを明確にする為に、従来のマーケティングにあたるオフラインマーケティングとして説明します。
オフラインのマーケティングは大まかに企画→調査→広告出稿の流れで進行します。

企画:新商品の企画、マーケティングプランの作成
調査:リサーチとも言います。データ収集のためにアンケート調査を行いますが、n数は少なく、傾向を把握する為に用いられます。
広告:TVCMやラジオなどのマス媒体を使用して広告を配信します。オフラインメディアなので結果が数字で表れにくいことが特徴です。

Webマーケティング、デジタルマーケティングとの違いは、インターネットを使わずにマーケティング活動が完結する点です。

Webマーケティング

Webマーケティングの目的は主に、ネット上での集客、顧客の獲得です。
オフラインマーケティングとの違いは結果が数字で可視化される点にあり、タグCookieを用いた効果測定が可能です。

また、少額予算からスタート出来る点も特徴の一つです。
このような点から、オフラインマーケティングに予算を割くことが出来ない中小企業も、Webマーケティングに参入しています。

購入件数や問い合わせなどの”成果”を求めるマーケティングをダイレクトマーケティングと呼びます。
インターネットの普及に伴い、アドテクノロジーが発展し、従来のwebマーケティング手法であったSEOリスティング広告に加え、アドエクスチェンジDSPなど、新しい広告配信フォーマットが誕生しました。

購買情報や閲覧履歴などのデータが蓄積されるため、オフラインマーケティング全盛期時代には存在しなかった、データを分析してマーケティング活動に利活用するための「データアナリスト」「データサイエンティスト」等、マーケティング業界に新たなプレーヤーの参入が相次ぎました。
プロモーションのすべてがWeb上で完結するマーケティングをWebマーケティングと言って問題ないでしょう。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティングは、厳密にはWebマーケティングと意味の違いはありません。人によって定義が様々で曖昧です。個人的な印象として、webマーケティングはwebサイトを起点とするSEOやコンテンツマーケを指し、デジタルマーケティングは、CRMやネット広告、システム構築など、あらゆるチャネルを包括的にカバーする、webマーケティングよりもさらに広い概念と認識しています。

オフラインマーケティングの職種一覧

営業系

主にアカウントプランナーアカウントエグゼクティブと呼ばれます。広告代理店の営業職が該当します。
新規案件の獲得と既存案件を両方担当している場合が多いです。
新規案件を獲得する際には、広告主が開催するコンペに参加するケースがあります。
コンペの内容に合わせた企画提案、資料作成を行い、受注後はクライアントとの窓口業務、プロジェクトチームの案件進捗確認がメインになります。
企画の提案内容によってはキャストの撮影現場に同席する場合もあります。

分析系

オフラインマーケティングにおいて、分析系に分類される職種はリサーチです。リサーチ会社に在籍します。
リサーチはその名の通りですが、代理店が企画したプロモーションや商品開発の際に必要なデータを収集・分析するポジションのことです。
データ収集には主にアンケート調査を行います。

企画系

企画系に分類される職種は商品企画MD、プランナーです。
商品企画は、商品の性能や仕様を決めることももちろんですが、ターゲットになり得る顧客のニーズに合わせて、商品をどのように流通させるかまで、マーケティング視点で企画する必要があります。事業会社に在籍します。

MD(マーチャンダイジング)はアパレルやインテリアなどの、主に流通・小売業界に在籍し、顧客に商品を買ってもらうために、顧客の要求する「適正な商品」を「適正な時期」に「適正な場所」「適正な量」「適正な価格」で提供するための職種です。

プランナーは、マーケティング戦略全体を企画・立案するポジションです。総合広告代理店に在籍します。
クライアントが売り出したい商品に対して、市場分析課題分析を行い、より多くの人に認知してもらえるような最適なマーケティングプランを考案します。
営業が担う場合もありますが、規模の大きい案件の場合、プランナーが専属でマーケティング戦略の立案を担当します。

クリエイティブ系

クリエイティブ系に分類される職種はデザイナーディレクターです。
デザイナーはその名の通り、TVCMや雑誌広告を制作するポジションです。プランナーやディレクターが考案した構成のもと、デザイナーが編集ソフトなどを用いて仕上げていきます。広告代理店や事業会社に在籍します。
対して、ディレクターは広告やカタログのクリエイティブにおける進行管理役を担います。
クリエイティブディレクターとも呼ばれます。広告代理店に在籍します。

PR

PR系の職種はPRプランナーと呼ばれることが多く、PR代理店に在籍します。

広告と混同しがちですが、PRの役割は、クライアントの商品・サービスの魅力を伝え、媒体にその商品やサービスを取り上げてもらうことです。
広告と違う点は、出稿の不確実性です。
広告の場合、広告枠を購入することで確実に露出できますが、PRの場合は媒体社へ掲載依頼をかけるのみで、掲載される保証はありません。
しかし、世の中の話題になるような企画であれば、媒体社も積極的にニュースとして取り上げます。
そのニュースがたくさんの消費者の目にとまればTVCMよりも大きな反響を得れることもあります。

参考リンク:PR会社って?広告代理店との違いや業務内容について

広報

広報は自社の新商品やリリースを広く世に広める事をミッションとしています。
自社商品を掲載してもらえるように媒体へ売り込む、事業会社側のPRプランナーです。
業務は多岐にわたり、自社商品へ問い合わせが入った場合の取材対応や商品に対するトラブルを対応する危機管理対応なども含まれる場合があります。

ブランディング

ブランド価値を向上させる事をミッションとするブランドマーケターは、事業会社に在籍しています
マーケティングと言うと、物を売るイメージが強いですが、ブランドマーケターは「ブランドを好きになってもらう」為に広告代理店、PR代理店や広報と連携して、プロモーション設計や戦略を考案します。
ブランディングにおける全ての戦略を統括することになるので、ブランドに関するPR戦略、広報、デザイン等を網羅的に学ぶことが出来ます。

その他

その他、メディアプランナーと呼ばれる職種も存在します。

メディアプランナーは広告代理店に在籍します。
クライアントのプロモーションに投下する広告予算を把握し、効果を最大化するためにどの媒体へ広告を出稿すべきか考えます。
時には、費用対効果最大化のためにTV局や出版社へ出向き、料金値下げの交渉を行うこともあります。
小規模案件の場合は営業担当が直接プランニングを行う場合もあります。

Web・デジタルマーケティングの職種一覧

営業系

主にアカウントプランナーアカウントエグゼクティブコンサルタントと呼ばれます。
SEOコンサルティング会社や、ネット広告専業代理店、デジタルエージェンシーなどに在籍します。
それぞれの業態に応じてその役割は異なりますが、

SEOコンサルティング会社の場合は、新規案件の獲得まで
ネット広告専業代理店やデジタルエージェンシーの場合は、案件の獲得からその後のプロジェクトマネジメントまでを担うケースが多いです。

その他ネット広告系

その他、ネット広告の領域においてはメディアプランナー運用担当の職種が存在します。

いずれもネット広告専業代理店に在籍します。

メディアプランナーはネット広告の出稿プランにおけるプランニングが主な業務ですが、必要に応じて媒体社へ出向きバナー広告の掲載費用の交渉や買い付けを行う場合もあります。

運用担当は、運用型広告の配信から進捗管理、クリエイティブ調整まで行います。
ネット広告特有の概念ですが、ネット広告の場合、テレビCMのように出稿して終わりではなく、広告出稿後の広告配信ユーザーのターゲティングや予算調整などの運用が重要です。運用次第でパフォーマンスがあがったりさがったりするのです。その為、広告運用担当者の役割は非常に重要です。

分析系

膨大なデータを分析するデータアナリスト、煩雑したデータを統合し、プログラミング等を用いてアルゴリズムを実装し、時として事業戦略までデータの落とし込むを担うデータサイエンティスト、データサイエンティストやアナリストなどと連携し、データをマーケティングに利活用するためにコンサルティングを行うデータマーケター等が該当します。

主にネット広告専業代理店やデジタルエージェンシー、コンサルティングファームに在籍していることが多いですが、デジタルマーケティングをインハウスで運用している事業会社であれば、社内にデータアナリストやデータサイエンティストを有していることもあります。

その他、特定領域のスペシャリストである、CRMコンサルタントWebアナリスト等の職種も存在します。
CRMコンサルタントの場合は、デジタルマーケティングにおけるCRMツールを活用したCRM施策のスペシャリストを指し、ネット広告代理店やデジタルエージェンシー、コンサルティングファームに在籍します。

webアナリストの場合は、SEOコンサルティング会社に在籍し、Googleアナリティクスを代表とする解析ツールなどを用いて、クライアントのwebサイトの分析を担います。事業会社のデジタルマーケティング部門に在籍しているケースもあります。

クリエイティブ系

クリエイティブ系職種に該当する職種はWeb・コンテンツデザイナーWeb・コンテンツディレクターです。

主にネット広告代理店、デジタルエージェンシーに在籍します。
制作物はオンラインに特化したものになり、Web広告やLP、Webサイト~コンテンツのデザイン、ディレクションを行います。

プロジェクトマネジメント系

デジタルの重要度が高まり、今や経営戦略とデジタル戦略が一体化しつつあります。
大規模なデジタルマーケティング支援企業になれば、クライアントの経営課題と直結するような大きな案件に携わることも少なくありません。
そこで誕生したのがプロジェクトマネージャーという職種です。

主にデジタルエージェンシーやコンサルティングファームに在籍します。

納期に合わせた完遂の為にプロジェクトに携わるメンバー(社外含む)の進行管理を行います。
危機管理能力に加え、メンバーのモチベーションマネジメントも必要なスキルの一つです。

職種の選び方のポイント

これだけ多くの職種があるとどれが自分に合うかを考えるのも大変だという印象を受けるでしょう。職種選びで悩んだ人のために考え方のポイントを紹介します。

オフラインマーケティングかWeb・デジタルマーケティングか

オフラインマーケティングとWeb・デジタルマーケティングの違いを解説した通りで、マーケティング施策のあり方もマーケティング手法も大きな違いがあります。マーケティングに携わっていく上でオフラインでの顧客とのやり取りを重視したいか、ネット上での顧客へのアプローチに力を注ぎたいかを考えてみましょう。

営業系に向いているか

営業系では顧客第一という姿勢で働くことで成果につながります。顧客に対して献身的な姿勢で働くのに適性があるかをよく考えてみましょう。顧客の立場を考えて最大限に貢献できる提案ができるかどうかが重要なポイントです。顧客の喜びを自分の喜びにできる人にとっては天職になる可能性があるので検討してみましょう。

分析系に興味や適性があるか

分析系ではオフラインでもオンラインでもデータ分析のスキルが必要になります。リサーチやアクセス解析ツールなどから得たデータを集計して統計処理をすることになるため、興味や適性があるかを考えてみましょう。統計や数学のスキルがある人にとっては適性が高い職種です。

クリエイティブ系のスキルがあるか

クリエイティブ系にはデザイン関連のスキルが求められます。スキルを持っている人は即戦力として採用してもらえる可能性がありますが、持っていない場合には実践的なスキルを習得することが必要です。スキルは仕事を選ぶ上で強力な武器になるので、クリエイティブ系に興味があるなら転職を機会に学んでみるのも良いでしょう。

出世をしたいか

マーケティング分野で出世をしたいと思っている場合にはプロジェクトマネジメント系の職種が魅力的な候補です。マーケティングの経験とマネジメントスキルが求められますが、管理職として複数のプロジェクトを牽引できる重要な立場を担えます。経営にも関連する業務に携われることも多いので、さらに上の地位を目指せる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
マーケティングには、関連する様々な職種が存在しています。
マーケティング関連の業務に興味のある方は、これまでの経験を踏まえつつ、将来のキャリアプランと併せて職種を検討することをおススメします。

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