【Vol.1】デジタルマーケティング業界の歴史と現在、将来性についてまとめました

digireka(デジレカ)では、デジタルマーケティング業界特化の転職支援を実施しています。デジタルマーケティング業界は、新興産業で今後も成長を続けると言われていますが、実際のところ、どうなのでしょうか。そこで、Vol.1~Vol.2の二編に分け、デジタルマーケティングの歴史と現在、将来性についてまとめていきたいと思います。Vol.1となる今回では、デジタルマーケティングの将来性についてまとめるうえで重要な、日本国内におけるデジタルマーケティング業界の歴史について振り返っていきたいと思います。

【Vol.1】デジタルマーケティング業界の歴史と将来性について

未来の話をする前に、まずは歴史と現状について整理していきましょう。
日本国内におけるデジタルマーケティング業界の歴史を紐解いていきます。

1996年 Yahoo! JAPANが日本で情報検索サービスの提供を開始

当時日本におけるパソコンの普及率は約22%、およそ5人に1人しかパソコンを保有しておらず、インターネットに関しては3.3%と、100人に3人しかインターネットを利用していない時代でした。そのようなインターネット黎明期に、Yahoo!JAPANが、情報検索サービスの提供を国内で開始しました。同年7月には、バナー広告(純広告)の提供を開始し、これが日本における初のインターネット広告となります。併せて、同社は同時期にテキストメール広告のサービスを開始しています。

Yahoo!JAPANの広告提供のタイミングと同時期に、電通とソフトバンクの合弁会社「サイバー・コミュニケーションズ」が設立されています。
同社は1996年7月、ヤフー株式会社の運営する「Yahoo! JAPAN」の広告枠の取り扱いを開始しました。

国内ネット広告専業代理店最大手のサイバーエージェントは1998年に事業をスタートし、同年8月、自社開発の広告商品「サイバークリック」の販売を開始しています。

2000年 Googleが日本語による検索サービスを開始。同年Amazon.co.jpがサービスを開始。

Yahoo!JAPANがサービス提供を開始して以後、96年~2000年までの期間で、ADSLの普及・光回線の登場によりネット通信の低価格化が実現し、日本におけるインターネット普及率が10年間で約21倍になりました。Googleが日本で検索サービスを開始したのも2000年です。Yahoo!JAPANにおいても、1日当たりの総アクセス数が1億PV突破するなど、この時期になると、当たり前のように一般家庭でも「インターネット」という言葉が使われるようになっていました。

2002年 Google・Yahooが検索連動型広告の提供開始(リスティング広告)

現在、最も多くの広告主に活用されているネット広告である「検索連動型広告」がGoogle・Yahooにより、提供開始されたのが、2002年です。

このころ、国内において急速にインターネットの普及が進んでおり、それに伴い「掲載の開始、停止は自由、低価格から利用可能で、購買に直結する便利な広告」として、従来のテレビCMや純広告には手を出すことが出来ない企業を含めて、凄まじい勢いで利用者数が伸長していきました。

このころから、GoogleやYahooにおいて広告文やキーワードをクライアントに提案する専門人材の雇用も積極的に実施されるようになりました。

2004年 国内SNS市場が活性化

日本におけるソーシャルメディアの台頭期です。「mixi」、「Amebaブログ」、「GREE」がサービスを開始したのが2004年になります。

また、この頃Yahoo!JAPANでは1日あたりの総アクセス数が10億PVを突破しています。

2008年 アドテクノロジー、iphone、Facebook、Twitterの登場

日本のネット広告市場では2008年にアドテクノロジーの前身となるアドネットワークが登場しました。これは、広告枠在庫を持つWEBサイトを複数束ねて、広告配信ネットワークを形成することで、複数WEBサイトへの広告一括配信を可能にする技術です。アドネットワークには、Cookieのデータをもとにユーザーの傾向を分析する行動ターゲティング広告が備わっており、これらがDSPやSSPと呼ばれるアドテクノロジーの前身となる機能になります。この頃、国内のインターネット広告市場は急拡大しており、インターネット広告を専業で取り扱う代理店の数も膨大な数になっていました。

同時期、日本にiphone・Facebook・Twitterが登場しています。モバイル時代の元年ともいえる年になりました。

2011年 DSP・SSP・DMPの登場、Googleがパンダアップデートを実施

2011年には、DSP・SSPが登場します。アドエクスチェンジという広告取引市場によって、各媒体・各アドネットワークが抱える広告枠を、インプレッション単位・オークション形式によって取引することが可能となりました。このアドエクスチェンジの技術を応用し、複数のアドエクスチェンジやアドネットワークを一元管理する広告配信プラットフォームのDSPが登場しました。膨大な数のWEBサイトに対し、人単位で、適正価格で広告を出稿することが出来る点が大きな注目を集め、急速にDSPの普及が拡がっていきました。

そして、枠から人へ、ネット広告配信の対象が変化したことにより、オーディエンスデータを扱う、「人主体のデータ統合基盤」としてDMPが登場しました。

DMPでは、広告データ、Webログデータ、CRMデータをつなぎ、「広告Aを経由したユーザーは、サイト上のコンテンツBに接触している」といった類の解析が可能になります。

これにより、集まったオーディエンスデータ=ビッグデータをマーケティングに利活用することが可能になりました。

また同時期、GoogleはSEOにおいてパンダアップデートを実施しました。これは、外部、内部リンク数に関係なく内容が薄かったり、コピペで作られたりしている「質の低いコンテンツ」の順位を下げ、良質なコンテンツを上位に表示させるアルゴリズムアップデートです。このアップデートにより、コピペで作られたページや、自動生成されたコンテンツが一斉に上位から排除されることになりました。

2014年 ネイティブアドの登場

2014年には、既にモバイルシフトが浸透し、大半のユーザーがスマートフォンを保有するようになっていました。アドテクノロジーやビッグデータ活用の流行とと併せて、ネット広告においては、「ユーザー体験を阻害しない広告」ネイティブアドが登場します。コンテンツのフィード内に自然な形式で広告を掲載するインフィード広告や記事広告がネイティブアドに該当します。

2016年~17年 アドフラウド問題の顕在化・WELQ問題の勃発

モバイルシフトが加速し、アドテクノロジー・ビッグデータ活用が一般化していく中で、アドフラウド問題が顕在化し始めたのが2016年頃のことです。アドフラウドとは、ディスプレイ広告における広告詐欺のことで、広告費をだまし取るために不正にbotなどにインプレッションやクリックを発生させ、成果費用を水増しする手法を指します。膨大な数の媒体社を束ねるSSPの仕様上、SSPが媒体側を把握しきれておらず、不正にインプレッション数を水増しする媒体社に対する広告出稿が問題視されました。同時に、DSPを活用して広告出稿することで、違法サイトへの広告出稿が行われていたことが各社で発覚するなどして、ブランドセーフティの観点からも、懸念が広がりました。

また、株式会社DeNAが運営していた医療系サイト「WELQ(ウェルク)」において、SEO至上主義ともいえる低品質で不確実、倫理観に欠けるWEB記事の大量生産が問題視され、「WELQ(ウェルク)」をはじめとするDeNA社運営のまとめサイトが全て休止に追い込まれる問題が勃発しました。

以前から医療や健康分野における低品質な記事に対する懸念はGoogleにも伝わっており、「WELQ問題」以後、Googleは「医療や健康」に関する検索結果の改善を目的としたアップデートを実施したことを発表しています。

ここまでをまとめると…

ここまでを一言でまとめていくと、

[su_list icon=”icon: check” icon_color=”#f46f19″]
    • インターネットの普及と同時に急速に市場が拡大
    • スマホ・SNSの普及に伴い様々な一層の市場拡大、様々な広告商品が登場
    • SEOにおいては、ユーザーの検索体験向上に向けてGoogleがアップデートを繰り返している
    • 便利なアドテクノロジーに潜む問題が顕在化[/su_list]

となります。

今迄の歴史を振り返ってみると、インターネットの市場の拡大と同時に急速な勢いで市場が拡大し、それに伴うチャネルの複雑化が起こっていることが分かります。また、DSP・SSPといった大量のWEBサイトに効率的に最適価格で広告出稿が可能なアドテクノロジーに潜んでいた問題が顕在化されています。

SEOに関しても、ユーザーの検索体験向上を目指す、Googleがアルゴリズムアップデートを繰り返しており、かつての大量にリンクを買う、コピペページを増やす、といった悪徳な対策は勿論のこと、SEO至上主義のコンテンツ制作が通用しない「コンテンツマーケティング」の重要性が高まっていることが分かります。

このような背景を基に、現在、また今後デジタルマーケティング業界はどのように変化していくのか?について、Vol.2でまとめていきたいと思います。

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