インターネット広告市場は専門用語が多く、業界に身を置いた事がない人からすれば、仕事内容のイメージが持ちづらいですよね。
また、業界内の人にとっても、インターネット広告代理店で築いたキャリアがその先どこに繋がるのか、分かりにくかったりします。
今日は、インターネット広告代理店の仕事内容・キャリアについてお話します。
インターネット広告代理店におけるキャリアについて
インターネット広告代理店とは
インターネット広告代理店とは、インターネット広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、アドネットワーク,DSP,アフィリエイト広告、facebook広告・Twitter広告等のSNS広告等)に特化した広告代理店の事です。
インターネット広告代理店は、広告主(クライアント)のデジタルマーケティングに関する工程を一貫して請け負います。
具体的な役割
クライアントの予算に合わせた戦略立案、メディアプランニング、メディアバイイング、ディレクション、クリエイティブディレクション、広告運用、分析、レポーティング等になります。
収益構造
広告主に対して、メディアの保有する広告枠を販売する事で、販売価格の手数料を受け取る収益構造になっています。
主要インターネット広告代理店
・サイバーエージェント
・オプト
・セプテーニ
・デジタルガレージ
・トランスコスモス
・メディックス
4マス媒体(テレビCM、新聞、雑誌、ラジオ)の広告費が前年比を下回る中で、インターネット広告費は年々成長を続けています。
伴い、インターネット広告代理店各社も成長を続けています。
日本でインターネット広告サービスの提供が始まったのは1996年頃になります。まだ20年と少しです。
よって、インターネット広告業界に従事する人の平均年齢は非常に若く、20代中盤~後半でマネージャーや局長に昇格しているケースも多くみられます。
業界平均給与
プレイヤー:380~600万円
リーダー:450~600万円
マネ―ジャー:600~800万円
局長:650~1200万円
インターネット広告代理店の仕事内容~営業職の場合~
そもそもインターネット広告代理店における主要職種は
・営業(アカウントエクゼクティブ、アカウントプランナー)
・広告運用(ストラテジスト、マーケティングコンサルタント)
・クリエイティブ(デザイナー、ディレクター)
になります。
※会社によって、営業担当の事をアカウントプランナーと称している場合もあれば、広告運用担当の事をアカウントプランナーと称している場合もあり、各社によってその名称は異なります。
営業担当は、HP等からの問い合わせ、展示会や勉強会からの問い合わせ、新規のテレアポ等のチャネルよりアポイントを獲得した広告主に対してwebプロモーションに関するヒアリングを行います。
・今回のプロモ―ションの概要、目的、予算
・現状施策と課題 等
ヒアリング内容を元に、如何なる媒体に対し、如何なる広告をどのように運用するのか、提案資料を作成します。
企画書例)
参照元:WEB担当者Forum 「インターネット広告予算をゲットできる企画書/上司を説得できる企画資料の作り方講座#3」
その後、上記例の様な資料を基に広告主に対してプレゼンテーションを行います。
代理店契約獲得後は、広告運用担当者や社内のクリエイティブ担当者、広告配信先である媒体、アドテクベンダーなど複数のステークホルダーと連携しながら、施策に対する結果のレポーティングを行います。
レポート内容を元に、週次~月次で広告主と打ち合わせを行い、必要であれば随時施策の変更、追加を行います。
通常、半年~1年程度で代理店契約を結ぶため、広告主とも密な関係を築く事が大切です。
求められる人物像
インターネット広告代理店の営業担当者は、行動量の担保だけでは成果を残す事が難しい、業務遂行難易度の高い職務内容です。
その為、
・デジタルマーケティングに対する深い知識
・潜在ニーズを引き出すヒアリング能力
・データ分析など、数字を扱う能力
等の能力が求められます。
よって、
・情報収集力・論理的思考力・コミュニケーション能力、デジタルマーケティング業界に対する強い興味関心
が選考時の合否基準になっています。
深い知識が求められる専門領域の為、
業界未経験からの就業を目指す場合、28歳くらいまでが年齢のボーダーラインになっています。
※企業により、26歳程度をボーダーとしている場合もあれば、29歳までをボーダーとしている場合もあります。少なくとも、30歳以上になってからのチャレンジは非常に厳しい現状です。
インターネット広告代理店における営業担当のキャリア
インターネット広告代理店の営業担当者のネクストキャリアですが、
1.マネ―ジャー 管理職への登用
2.ネット専業代理店やアドテクベンダー、同業他社への転職
3.事業会社のデジタルマーケター
4.媒体運営企業でのセールス担当
5.ToCプロダクトを展開するネット企業の事業企画
等が代表例として挙げられます。
1.マネ―ジャー 管理職への登用
デジタルマーケティング業界は、平均して従業員の年次が若く、伴いマネジメントレイヤーの年齢も若くなります。
具体的には、20代後半で相当な役職についている人も沢山います。
早いタイミングでマネジメントレイヤーを目指せる事から、社内でのキャリアアップを目指す事が可能です。
2.ネット専業代理店やアドテクベンダー等の同業他社への転職
デジタルマーケティング業界は成長を続けており、それに伴い、ネット専業代理店やアドテクベンダーの数も年々増えています。
業界で経験を積み、その後、より価値観が近い、自身が実現したい事を叶えられる同業他社へと転職するケースも多くあります。
3.事業会社のデジタルマーケター
ネット専業代理店やアドテクベンダー出身の転職希望者から高い人気を誇るのが、
事業会社のデジタルマーケター職です。
決裁権を持ち、幅広くマーケティングプランを実行できる事業会社のマーケターポジションは非常に魅力的です。
近年では特に、デジタルマーケティングの運用を代理店を介さずにインハウスで行う事業会社も増えてきており、伴い求人の数も増加傾向にあります。
ただ、人気のポジションであるがゆえ、ハードルが高い事も事実です。
インハウス運用を始めようとしている会社であれば、全体プランニングもさることながら、実際に手を動かし、広告運用が出来る人材を求めます。
そうすると、いくらデジタルマーケティング業界で経験を積んできていたとしても、営業職しか経験のない人材はスキルマッチしません。
事業会社のマーケターとして転職をするには大規模予算(月間1000蔓延以上目安)の広告運用経験を豊富に持っている、などの尖ったスキルを身に着けるか、営業担当者の場合は、SEO~広告プランニング~広告運用~CRM といった、webマーケティングの一連の流れにおいて、幅広く経験を持っているゼネラリストを目指す事が大事です。
4.媒体運営企業でのセールス担当
メディア運営企業における媒体収益を最大化させるための広告枠営業です。
専業代理店の営業職に就いていた人にとっては非常に相性が良く、高い需要が期待出来ます。
代理店の営業担当者は、広告を出稿する先の媒体特性を踏まえてプランニングを提案するので、当然といえば当然ですね。
5.toCプロダクトを展開するネット企業の事業企画
toCプロダクトを展開するネット企業の事業企画ポジションなども比較的相性が良いとされています。
toCプロダクト且つインターネット事業である場合、プロダクト上にユーザーを集める事は、
事業を進めていくうえで非常に優先度が高い要素となります。
その為、オンライン集客におけるプロフェッショナルスキルが活かされやすい領域であると考えられます。
加えて、ネット専業代理店の営業職では、「定量的なデータに対する読解力」が強く求められます。
例)CPAが上がっている理由、エンゲージメントが下がっている理由を検討してクライアントにレポートしないといけない。等
その為、事業企画≒数字の読解力が非常に求められるため、
デジタルマーケティング業界出身者との相性が良いとされています。
まとめ
インターネット広告代理店の営業担当は、業務遂行難易度が高く、その分キャリアパスも豊富になります。
しかし、日進月歩で動向が変動する業界である為、常に最新の情報を得て、デジタルマーケティングに関する領域を全網羅的にカバーできるゼネラリストを目指す必要があります。その為、デジタルマーケティングに対する強い興味関心が求められます。
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