誰もが見たことのあるCMや雑誌広告を手がけることができる、華やかな仕事である広告代理店。
しかしそんなイメージとは裏腹に、「激務」「残業が多い」というブラックな噂もあるため、広告代理店への転職を考えても「自分には無理かもしれない」と思い止まる人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな広告代理店の仕事はどんな人に向いているのか、業務内容や求められる能力から分析してみました。
・広告代理店の仕事が向いている人の特徴
・チェックポイントでわかる広告代理店への適正
それではご紹介していきます。
広告代理店ってどんな会社?
そもそも、広告代理店とは名前の通り広告活動を代理で行うことを目的とした会社です。
その会社の広告活動に関しての問題を聴衆し、解決策を提案、売り上げにつながるようにマーケティングを行うことで利益をあげています。
以前までは、メディア(テレビや雑誌)の広告枠を広告主(広告を出して宣伝したい企業)に紹介しその手数料で報酬を得ることだけで成り立っていたのがメインの業務でした。
しかし、近年では掲載する広告の制作についても携わるようになり、広告枠の紹介・制作・掲載まで一貫してプロデュースしてお、時代のニーズと共に業務内容も変化しています。
そんな広告代理店には種類があり、どのメディアを扱うかによって以下の3つの様な種類に分かれます。
・総合広告代理店:幅広いメディアの広告枠を扱う
・専門広告代理店:特定のメディアに絞った広告枠を扱う
・ハウスエージェンシー:特定の広告主の広告活動を行う
同じ広告代理店でも内容は少しずつ異なるため、会社選びの参考にしてみましょう。
広告代理店の仕事の魅力は?
広告代理店の魅力といえば、何といっても多種多様な業界人と関わることができる点です。
出稿メディア次第では広告主によって異なりますが、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞といった4大マスメディアに関わったり、広告に関連したイベントを企画するなど、広告出稿以外の仕事に関われる可能性もあります。
広告出稿にあたっては、転職先が大手広告代理店やメディアであれば、多様な業界の製品や仕事にふれる機会を得られるでしょう。
また「広告」というものは消費者にダイレクトに届く・誰でも見ることができる宣伝手法です。
テレビや新聞となればより多くの人の目に触れるため、話題になった広告が自分の関わった仕事であればやりがいもあり、リアルな反応が見えるのでおもしろさも感じるでしょう。
広告は基本的に予算や案件規模が大きく、他職種など多くの人と連携を取りながら作り上げるため、やりがいの面からみても他の業種では感じられない大きさがあります。
広告代理店に向いているかわかるチェックポイント7つ
広告代理店で働く上で求められる能力を元に、転職に向いているかのチェックポイントを次にまとめました。
自分の性格と照らし合わせ、どれだけ当てはまるか考えてみましょう。
その①.忍耐力がある
広告代理店ではクライアントが全てです。
クライアントの思い思いに変わる意見には時には無茶な要望もあります。要望に答えることで、社内で文句を言われたり時には対立してしまう場合もあるでしょう。
そこで必要となるのが、忍耐力です。周囲からのプレッシャーに負けることなく耐えることで、的確な判断と指示を出し、満足のいく仕事につなげることができるでしょう。
その②.チャレンジ精神が旺盛
広告には流行り廃りがあり、常に新しいものを求められます。
多忙な業務の中で仕事に終われるだけではなく、常に何か新しいものを見つけて行こうというチャレンジ精神を持てる人は広告代理店の業務に向いているのではないでしょうか。
また、広告代理店の仕事はクライアントからのOKが出なければ何度でもやり直しになります。そのたびに新しい案や解決策をどんどん考えることができるチャレンジ精神は必要となるでしょう。
その③.トレンドに敏感
広告は、常に新しいものが発行されトレンドも目まぐるしく変わっていく宣伝手法です。
デザインを元に分析や発想を行うマーケティング・クリエイティブ職ももちろんですが、営業として他社へプレゼンする際もトレンドを知っていないことには話になりません。
そのため、休日に街を歩く際にも「このキャッチコピーは斬新」「色使いが綺麗」など常にトレンドに目を向け、好奇心旺盛に過ごせる人は広告代理店の仕事に向いていると考えられます。
その④.チームプレイが得意
広告代理店の仕事では、常にチームでひとつの仕事をこなします。
そのため、どの職種で勤めようが他部署との連携は必要とされます。
チームの輪を大切にし、一丸となって目標を達成できる人こそ広告代理店での仕事にぴったりです。
その⑤.スケジュール管理が得意
広告代理店の仕事は常にスケジュールとの戦いです。そのため納期に合わせ逆算して作業を行うことが必要となります。
広告制作はチームで動く仕事のため、自分の作業の遅れは他の人の作業の遅れにつながります。円滑な作業進行のためにもスケジュール管理は必須と言えるでしょう。
その⑥.臨機応変な対応ができる
広告代理店ではクライアントからの要望が急に変更になることは珍しくありません。
さらに、急なシステムのトラブルに見舞われるなどイレギュラーな出来事は日常茶飯事です。
その上で変わらない納期に合わせることが必要なため、常にアクシデントに対して臨機応変に対応することが求められます。
その⑦.どこでも寝れる・睡眠の質が高い
広告代理店では、案件の納期が迫ると徹夜が発生する場合もあります。
そんなときに少しの睡眠で回復できたり、家のベットでない場所で寝れることができる睡眠の質の高さが求められます。
会社により仮眠室がある場合もありますが、他人と一緒に寝ることもあるのでそういったことを気にしない人であると、仕事にも影響せず成果を残せるでしょう。
職種別!広告代理店に向いている人の特徴
広告代理店の職種は、以下の4つの職種に業務が分類されています。
- メディア職
- 営業職
- マーケティング職
- クリエイティブ職
次では職種ごとの仕事内容と求められる能力をご紹介していきます。
【広告代理店】メディア職に向いている人の特徴
メディア職とは、それぞれのメディアの広告枠を仕入れることが主な業務となります。
メディア職が広告枠を取ってくることにより、広告主の広告活動が初めて行えるため広告代理店を動かす重要な役割であり、メディア枠を仕入れるために様々な媒体先と競合他社に負けないように交渉する必要があります。
そのため、信頼関係を築けるようなコミュニケーション能力や臨機応変な対応が必要とされるでしょう。
求められる能力は営業職と近しいものがあります。
【広告代理店】営業職に向いている人の特徴
営業職は、広告主の窓口を担う役割になります。
クライアント(広告主)の要望をヒアリング・他職種と連携を取りながら広告掲載の予算・スケジュール・進捗管理を行うことが業務内容です。
また、広告主は代理店を初めから一社に絞るわけではなく、案件に対してコンペを行いより良い企画を出した広告代理店を選ぶ形式がほとんどです。
そこで案件を勝ち取れるよう、コンペ企画を指揮するのが営業職の役目でもあります。
営業職は他職種との連携を取れるコミュニケーション能力はもちろん、全体の流れを把握して的確な指示を出す管理能力・リーダーシップも必要とされるでしょう。
メディア職と比較すると、営業職は他職種との繋ぎ役になります。
より大枠を俯瞰してみる・的確に周りを動かせることのできる能力が必要と考えられるでしょう。
【広告代理店】マーケティング職に向いている人の特徴
マーケティング職とは、クライアントの売りたい商品の市場価値・消費者動向などを分析し、どのようにすれば商品が売れるかを考える仕事です。
別名ストラテジックプランナー(ストプラ)ともいい、strategic(戦略的な)の意味の通り、問題を解決する戦略を練ることが役目です。
この戦略が外れてしまうと、クライアントの要望を叶えることができず、取引解消にもつながるため、広告代理店の利益を上げるための肝となる部署とも言えるでしょう。
マーケティング職には、与えられた問題に対して解決策を示す問題解決能力、相手にわかりやすく戦略を説明するプレゼン能力・さらに思考力や業界知識が必要とされるでしょう。
【広告代理店】クリエイティブ職に向いている人の特徴
クリエイティブ職は、広告で使うキャッチコピーやデザインのアイディアを考えることがメインの仕事となります。
よく名前を聞く「コピーライター」「Webプランナー」などはこのクリエイティブ職に当たり、マーケティング職が分析した調査を元にキャッチコピーや広告のコンセプトを考え、最終的な「広告」として目にされる形にする役割を担います。
クリエイティブ職は他の3つの職種と違い、専門的な技術が必要とされる職種です。
デザインを行うためのPhotoshopやIllustratorの操作は必要最低限であり、最新のトレンドやデザインに対する知識も必要となるでしょう。
広告代理店への転職を成功させるには?
ここまでは広告代理店に向いている人の特徴をまとめました。
しかし、自分が広告代理店へ向いているとわかっても、転職先選びに失敗したり「転職後に後悔するかも…」と不安はよぎります。
次ではそんな不安を解消するため、広告代理店への転職をするときのポイントをいくつかご紹介していきましょう。
転職の方向性をしっかりと決める
転職の方向性とは、転職においての優先順位・目的・目標にあたります。
【転職の方向性を決める3つの項目】
項目の種類 | 意味 | 例 |
優先順位 | 転職するにあたり【何を重視して転職する】かという転職軸となるべき項目 | 年収額 通勤距離 業務内容 |
目的 | 転職は【なんのために転職する】かという転職の理由になる項目 | 環境を変えたい キャリアアップしたい |
目標 | 転職後に【どのような活躍をしたいか】という転職の理由にあたる項目 | 年収アップしてたい 役職につきたい 憧れの商品へ携わりたい |
これらを明確にしておくことで、情報に惑わされず、転職をすすめることができます。
また、転職の方向性を決めるには過去の経歴やスキルの棚卸しも必要となるので、時間に余裕をもって転職活動の第一歩だと考えやってみましょう。
業種や職種への理解を深めておく
転職後の後悔に繋がる一番の理由は「思っている環境と違う」というギャップです。
ギャップを少なくするには、転職を目指す業界や職種の仕事理解を深めることが重要となります。
しかし、中には職場の人間関係など転職してみないとわからない要因もあるため、完全にギャップを無くすことは不可能です。
対して仕事内容や職種への仕事理解は事前に調べればどのようなものか大枠の理解はできるので、興味のある企業は事前にしっかりとしたリサーチを心がけましょう。
方法として資格を取るのもおすすめです。
広告代理店の転職でよくあるQ&A
Q:広告代理店の仕事はきついって本当?
多忙であるということから「広告代理店はやめとけ」という評判がありますが、一般企業と同様に、忙しさは企業によって分かれるところが事実です。
広告出稿は入稿サイクルが早い・クライアントにより臨機応変な対応を求められる・期日がある仕事であることから常に業務が回り続ける仕事内容であるため、ときには残業が発生します。
しかし最近は、残業時間も短くなってきている傾向が業界的にもあるため、「きつい」「しんどい」は人によって異なると言える職業だと言えるでしょう。
Q:広告代理店に転職するためには何学部がおすすめ?
ただし、クリエイティブ職希望の場合は、音楽や映像制作に関する専門知識がある方が有利だと言えます。
さらに博報堂など大手の広告代理店転職などが希望となると、学歴も関係してくるので、どの規模の広告代理店を目指すのかによって変わるでしょう。
Q:広告代理店が人気な理由は何?
広告代理店の魅了て紹介した様に、広告代理店は制作物が直接消費者の目にダイレクトに届き、商品販売へ影響するため非常にやりがいの大きい仕事で華やかなイメージが強い職業です。
さらに一案件に対する単価も高いので、平均年収は比較的高水準のため、その当たりが転職先として魅力的に映るのではと考えられます。
広告代理店への転職にはデジレカがおすすめ
広告業界への転職は、業界特化の転職サポートを行う「デジレカ」がおすすめです。
まとめ
今回は広告代理店に向いている人を、能力や役割から分析しました。
職種によって向いている人の特徴はやや異なりますが、広告代理店での業務はハードでありクライアントの要望でガラッと仕事の方向性が変わってしまうこともある仕事です。
普通の会社員と比べるイレギュラーな働き方で厳しい業界であるため、必要な専門知識や技術の前に、まず体力面・精神面で向いているか考えてみましょう。
自身の性格が向いているとわかれば、広告代理店は人の目に止まる広告制作に携わることのできる、やりがいのある仕事です。
会社ごとの特徴や労働条件も検討しながら、満足のいく転職を叶えましょう。