コロナ禍のによる株価高騰やインフレの影響で、昨今PEファンドへの注目が高まりつつあります。
PEファンドと転職者目線で聞くと高収入が魅力のひとつとして上げられますが、実際には「どのような企業で何を目的とするのかわからない…」という方も少なくはないでしょう。
そこで今回は、転職の選択肢を広げるため「PEファンド」についての基本情報と転職対策をご紹介していきます。
- PEファンドの基礎情報
- コンサルファームとどう違うの?
- 転職の難易度や転職方法
上記の内容を、業界未経験・初心者でもわかる様に解説していきます。
現在PEファンドへの転職を検討されている方は、ぜひ転職活動の参考にしてみましょう。
【まず初めに】PEファンドとは?
そもそもPEファンドととは「プライベートエクイティファンド」の略称です。
意味としては「企業の株式を譲り受け、企業価値を高めた後に売却してキャピタルゲインを得るビジネス」とされていますが、業界に慣れない人には少し理解しづらい部分があります。
まずはPEファンドというものを理解してもらうために、「PE」と「ファンド」という言葉を別々に考えてみましょう。
【PEとは】 プライベートエクイティ:個人的な株式資本 【ファンドとは】 ≒投資ファンド 投資家からお金を募り、リターンを分配する「仕組み」 |
上記の意味をくっつけると「個人的な株式資本(まだ上場しておらず誰も投資することはできないもの)に出資する仕組み」となります。
つまりPEファンドは【未上場の企業へ投資し上場や企業価値を高めるために支援するビジネス】という意味合いとなり、PEファンド企業はその「PEファンド」を事業とする会社となります。
PEファンド企業は、自社で資本投資を行う企業はもちろん、投資先となる企業・投資家を探しそれらをいわばマッチングさせるような事業内容も含まれるので、イメージとしては「PEファンドをするための仲介業者」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
コンサルティングファームとの違いは?
PEファンドの業務内容の一つである【企業価値を高めるために成長させる】という話を聞くと「それはコンサルファームなのでは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
PEファンド企業とコンサルティングファームとでは、業務内容は似ているようで全く異なります。
【コンサルティングファーム】 企業が持つ「特定の課題」に対して問題解決・提案・実行を1つのプロジェクトとして行う。 戦略知識や問題解決スキルを売りとして利益を上げる。 【PEファンド】 自己資本を投資しながら企業全体の「価値向上」を目的とし支援する。 企業売却・株式の新規公開により資本を回収することで利益を得る。 |
違いをはっきりさせ、どちらが自身の適正や希望にあっているかよく吟味しておきましょう。
PEファンドへ転職することの魅力は?
PEファンド企業の目的や事業内容が分かったところで、転職する魅力について解説していきましょう。
メリットとして考えられるのは以下の2つ
- 年収が高水準
- 他の企業ではできない経験である
では詳しく解説していきます。
その①:年収が高水準
PEファンドの魅力といえばまず高水準の給料です。
高水準の理由としては、PEファンド企業は企業価値を高めて利益を得ることをビジネスとしていますが、その額はひとつの企業規模のため、1件決まれば億単位の金銭が発生します。
PEファンド事業のインセンティブの額は平均として20%程度と言われているので、100億円の企業の利益が上がれば、インセンティブは20億円です。
インセンティブが高くなると、社員への振り分けも自然と高くなり、自然と年収も高水準となる仕組みです。
実際にPEファンドの平均年収は低くても800万円程度はあり、多いと2000万円代を叶えることも可能と言われています。
実際に大手である株式会社KKRでは営業職で年収400万円〜、投資コンサルは1200万円の採用情報が掲載されています。(openwork参照)
大幅な年収アップを狙いたい、実力にあった年収を稼ぎたいという方にはぴったりの業界と言えるでしょう。
その②:他の企業ではできない経験がある
PEファンドのもうひとつの魅力として、「その企業の経営に携わることができる」という点があります。
コンサルではあくまでも外部委託社なので決定権はありませんが、PEファンドは経営者というポジションなので、直接意見を伝え、決定権も持つことができるのです。
この経験は他の業界でできるものではなく、1社に属しながら複数の企業経営を勉強することは確実なスキルアップとなるでしょう。将来的に独立して活躍することを視野に入れている方にも、PEファンドでの経験は強い糧となります。
もちろんコンサル会社やベンチャーキャピタルにもいい点はたくさんあります。
PEファンドへの転職を悩むとき「どの立場で経営に関わりたいか」という点で選ぶこともひとつの重要なポイントとなるでしょう。
PEファンドへの転職は難しい?【求められるスキル】
PEファンドへの転職は難易度が高く、経験を踏まえた採用が行われることがほとんどな為、未経験社の転職は難しいと言えるでしょう。
中途採用で転職する場合でも、以下の様な経歴が重視されます。
- 外資系投資銀行
- FAS系コンサルティングファーム
- 日系証券会社でのM&A経験社
- 戦略・再生コンサルティングファームでのコンサルティング経験
会計・財務知識が必要とされるので会計士でも転職の可能性はありますが、やはり実務に伴う経験を強く重視される傾向にあるため、上記の経験者が有利と言えるでしょう。
さらに外資系PEファンド企業への転職を希望する場合は、ビジネスレベルの英語力も必要とされます。
いずれにせよ、ハイレベルなスキルを求められる、限られた人が就くことができる職業であることは間違いありません。
まとめ
今回はPEファンドへの転職情報をまとめました。
PEファンド企業への転職は非常にハードルが高く、経験とスキルを重視した採用が行われます。
未経験からの転職はほぼ不可能で希望するのであればまず、必要とされる経験を積める企業へ転職し、ステップアップを踏むことをおすすめします。
PEファンドの事業としては昨今非常に需要が高く、入職後も間違いなくスキルアップできる環境が多いため、少しでも可能性がある方はぜひ選択肢のひとつとして検討してみましょう。