今回はコンサルタントの転職情報についてご紹介します。
数年前から需要が増え始めたコンサル事業ですが、ここ最近ではDX推進を背景とするITツールの導入により、さらに需要は高まりつつあります。
コンサルタントは年収も高水準であるため「これまでの経験をワンランクアップさせたい」と、今まさに右肩上がりなコンサル業界への転職を検討する方も多いのではないでしょうか。
本記事では、未経験からコンサルタントへ転職を目指す方のために
- コンサルタントの職業情報
- 未経験者の転職難易度
- 転職を成功させる方法
この様な内容をご紹介して行きます。
本記事で「未経験でも転職できるの?」という不安を解消し、スムーズに転職活動をはじめるための事前準備としてぜひ参考にしてみてください。
まず初めに!コンサルタントとは?
コンサルタントとは語源が【consult=相談】である通り、クライアントの課題を代理で解決することを主な目的としており、製品を販売するのではなく「問題解決ノウハウ」を販売する職業です。
まずはそんなコンサルタントという職業について、4つの要因から見ていきましょう。
仕事内容
コンサルタントの具体的な業務内容は下記の様になります。
- ヒアリング
- 分析
- 課題提議
- 解決法選定・提案
- 開発
- 導入・実施
コンサルタントファームにより業務内容に違いはありますが、基本的には企業の問題を浮き彫りにし、それに対する解決方法を考え、実施するという流れがほとんどです。
どこまでのサポートを提供しているか・個人なのかチームで対応するかなども変わるため、転職する際は気になる企業の業務内容や過去の実績についてよく調べておくとよいでしょう。
平均年収
dodaの統計によるとコンサルタントの平均年収は499万円となります。
(引用:doda「平均年収ランキング 最新版」)
「コンサルタントの年収は高水準なのでは?」と疑問を抱く額ですが、コンサルタントの給料形態は成功報酬型であることがほとんどのため、この平均値はあくまでも参考程度にしておくべきだと考えられます。
実際に洋経済オンラインが2021年に発表した「最新!「30歳年収」ランキング全国トップ500社」では、トップ15までに大手コンサルファームが3社ランクインしており、その企業の平均年収は全て1000万円代です。
このように大手企業はもちろん、その他のコンサルファームでも経験を積み実績を上げることができれば大幅な年収アップが叶う職業だと言えるでしょう。
コンサルタントの種類
次はコンサルタントの種類を8種類に分類してご紹介します。
【総合系コンサルファーム】
総合系コンサルファームとは、その名の通り内容を問わず業務改善・システム導入・アウトソーシングまで幅広い課題に対してコンサルティングサービスを行うファームです。
業種も製造・金融・物流・官公庁と様々であり、コンサルタント数百名規模在籍している大規模ファームが多いのが特徴です。もちろん扱う案件も大規模なものが多く、ベンチャー企業や小規模企業の案件はあまり取り扱うことがありません。
経験重視の採用を行っているため自然と転職の難易度も高くはなりますが、業種を問わず、幅広いケースを経験してみたいのであれば総合系ファームを狙うと良いでしょう。
【総合系ファーム企業】 ・デロイトトーマツコンサルティング ・アクセンチュア ・PwCコンサルティング ・アビームコンサルティング |
【IT系コンサルファーム】
企業のDX化・IT戦略を中心に、システムの提案・導入などをサポートするのがIT系コンサルティングファームです。
専門性の高さを活かしてコンサルタントを行うため、クライアントはベンチャー〜大規模企業まで幅広く対応しています。
IT系コンサルファームは、専門知識が重宝されやすいのでエンジニアやシステム会社出身者の転職先として選ばれることが多くあります。
【総合系ファーム企業】 ・ガートナージャパン ・フューチャーアーキテクト ・ウルシステムズ ・ケンブリッジテクノロジーパートナーズ |
【戦略コンサルファーム】
総合系と混同されやすいですが、「事業・経営戦略面」により特化したコンサルティングを行うのが戦略系コンサルティングファームです。
グローバル展開するファームが多く、クライアントの中心が大規模企業であるのも総合系と似ていますが、戦略系は経営層に特化した関わりであるのが特徴的です。
【総合系ファーム企業】 ・マッキンゼー・アンド・カンパニー ・ボストン コンサルティング ・グループベイン・アンド・カンパニー ・A.T. カーニー |
【人事コンサルファーム】
採用・研修・教育などの組織人事の課題解決に特化したコンサルティングを行うのが組織人事系コンサルティングファームです。
人事系コンサルティングファーミはクライアント規模はさまざまですが、グローバル人事戦略、M&Aに関連する組織人事の統合、年金・福利厚生など対応する領域が幅広いため、未経験者からの転職は相当な勉強が必要でしょう。
マーサージャパン、タワーズワトソンなどが有名ですが、近年ではデロイトトーマツグループから独立し、人材育成プログラムを生業としているラーニングエージェンシーのような企業が人事コンサルに参入している例もあります。
【総合系ファーム企業】 ・マーサージャパン ・タワーズワトソン ・コーン・フェリー・ヘイグループ ・エーオンヒューイットジャパン |
【事業再生コンサルファーム】
企業の再生に特化したコンサルティングを行うのが企業・事業再生系コンサルティングファームです。
事業再生コンサルはコンサルティングの中でもより企業の深い部分に入り込んだ内容となるため、専門性の高さが重視されるでしょう。
【総合系ファーム企業】 ・アリックスパートナーズ ・経営共創基盤 ・山田ビジネスコンサルティング ・フロンティア・マネジメント |
【監査法人コンサルファーム】
監査事業を行う企業が派生し経営課題の解決に取り組んでいるのが監査法人系コンサルティングファームです。
財務・税務、リスク・セキュリティ、IPOなどのコンサルティングが中心となるため、税理士・会計士など資格保持者の在籍が多く、在籍しながら資格取得を目指すことも多々あります。
経理関係や税務署出身者でコンサルティングに強い興味を持つ方は転職しやすい狙い目のジャンルとなるでしょう。逆に近しい経験がない場合、未経験からの転職は難易度が高いと考えられます。
【総合系ファーム企業】 ・監査法人トーマツ ・PwC ・あらた監査法人 ・新日本監査法人あずさ監査法人 |
【シンクタンクコンサルファーム】
シンクタンクとは、幅広い分野に関する政策立案・政策提言を行う研究機関のことで、母体が証券会社・金融機関を持つ野村総合研究所の様なファームがほとんどです。
経済調査・リサーチ・IT・マネジメントの領域でコンサルティングを行い、どちらかといえば総合系に近い経営コンサルティングサービスを提供します。
【総合系ファーム企業】 ・NTTデータ経営研究所 ・三菱UFJ リサーチ&コンサルティング ・野村総合研究所 ・日本総合研究所 |
【財務系コンサルファーム】
企業の財務に関連するコンサルティングに特化したのが財務系コンサルファームです。
別名「財務アドバイザリー系コンサルティングファーム」とも呼ばれ、経営戦略の観点から、グローバルなM&Aに携わるケースも多々あります。ただし近年では財務関連以外にも幅広くコンサルティング業務を行う企業が増えつつあるので総合系ファームの様な立ち位置の企業もしばしば見かけられます。
【総合系ファーム企業】 ・PwCアドバイザリー ・デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー ・KPMGFASEYTAS |
市場・将来性
冒頭でもお話しましたが、コンサルタントの需要は現在も右肩上がりです。需要の高さの理由はDX推進による影響はもちろん、コロナ禍のリモートワークで企業のIT化がハイペースになっていることも大きい原因だと考えられます。
これまでアナログにこだわっていた企業も、急遽ITツールの導入を余儀なくされ慌てて対策を講じたはいいものの、人材不足でうまく稼働ができず結果としてコンサルタントファームへの依頼が殺到する流れとなっているのでしょう。
さらにコンサルティングファームの業務内容もただ問題解決を行うだけに止まらず、提案内容に合わせた自社商品の導入・人材の派遣などで総合的な支援を提供するファームが多くなってきています。企業の需要に合わせた柔軟な対応ができる事業は、どんな時代も生き抜く力を持っており将来性の高さが見受けられます。
また、コンサルタントを経験して得られる経験・スキル自体も将来的にフリーランスで活躍することができるほどハイスペックなものです。
コンサルファームの在り方・需要・コンサルタントとして得られるスキルなど、どの方面から見てもコンサルタントは将来性の高い職業であることがわかります。
転職難易度(未経験の場合)
未経験者のコンサルタントの転職難易度は、現在であれば中級程度となるでしょう。(特別に専門スキルを必要とする業界を除く)
コンサルタント業界は企業からの需要も高いため、どのファームも積極的に採用活動を行ってはいますが、人材に求めるクオリティを下げてまで確保する企業はあまりありません。
需要が高まるからこそひとつの案件内容もハードルが高くなりやすいので、転職者へ求められるハードルも上がるでしょう。
未経験でコンサルタントへの転職を狙うのであれば、【コンサルタントに求められるスキル】を理解し、【内定率を上げるための対策を行う】ことがポイントとなります。
コンサルタントに求められるスキルは?
専門知識
コンサルタントはその企業の問題定義〜解決までサポートするプロであるため、コンサルタントの手法を学べばある程度はできるけど
その業界の専門知識があるとより一層寄り添った支援を行うことが可能
転職したい業界が定まっているのであれば、その業界の市場・流行り・用語などをひたすら研究しておくと現場に入った時に必ず役立ちます。
コンサルとしての能力は入職後でも業界知識はほんやネットでいくらでも調べられるので事前準備として持って恋
コミュニケーション能力
コンサルティングをするうえで情報は何より大切です。クライアントからの信用を得て情報を聞き出すには円滑なコミュニケーション能力が求められるでしょう。中でもクライアントが言語化しやすい・話を掘り下げれる様な「質問力」は特に重要です。
コミュニケーション能力は社内外・職業問わずどんな場面でも役立つスキルなので、転職まえに鍛えておいて損はありません。
粘り強さ
企業の問題解決というのは一筋縄では行かないような課題がほとんどです。
課題から解決法を考え実施したとしても改善されない様なことはよくあるため、何度も試行錯誤・実施を繰り返す必要があるので、コンサルタントには粘り強さが必要不可欠です。
またコンサルタントには無理難題を求めてくる企業もいるでしょう。そんなときl感情的にならず自分自身をコントロールする術が必要です。
論理的思考力
別名ロジカルシンキングといい、物事を要素別に分解・整理・検証する思考を意味します。
論理的思考能力を身につけるには何事にも興味を持って、固定概念をなくした視点で考える癖を日頃から意識すると良いでしょう。付け焼き刃で得られるスキルではないので、日頃からの意識づけが大切です。
アウトプットスキル
問題解決法を実施するには相手に自分の考えをわかりやすく伝えるアウトプットスキルが必要です。
「誰にでもわかるように説明する」という行動は意外と難易度が高く、言葉遣い・話し方・話の組み立て方など細部への配慮が求められます。
またアウトプットスキルとしてはITツールを駆使することも重要視されます。パワーポイントはもちろんXmindなどプレゼンテーションしたい内容に合わせた物を効率よく使えるスキルを身につけましょう。
未経験者がコンサルタントの転職を成功させる対策法
最後は未経験者がコンサルタント業界への転職を成功させるための方法を4つご紹介します。
転職する業界を絞る
コンサルタントは幅広い業界へ参入しており、単に「コンサルタントをやりたい」というだけでは転職先を絞り切ることができません。
業種を絞り込むことにより、転職対策としてその業界の専門性を高めることもできるので、内定率アップにつながるでしょう。
業界を絞るには興味のある物を選ぶのはもちろん、これまでの経験を活かせるもの、需要が高まっている業種など業界情勢を調べてピックアップすると将来性も高まるでしょう。
意識変革を行う
コンサルタントは資格の有無よりも、物事の捉え方や考え方が重視される職業です。
しかしこれまでの価値観を変えることは一朝一夕でできることではないため、日頃からの意識改革を行うことが必要とされます。
企業のホームページひとつ見るのも「この企業の経営戦略を練るなら?」とコンサルタント的思考を持つことを意識してみましょう。
自然と身につくには繰り返すことが大事なので、転職準備として頭の切り替えを一緒に行うことをおすすめします。
中小企業診断士を取得する
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対する診断・助言を行う専門性を身に付けるための国家資格です。
受験要件などに実務経験など特に必要がなく誰でも受けられるため、コンサルタントとしての知識をつけることはもちろんネームバリューとしても活躍します。
試験は筆記・口述に分かれており、資格取得の難易度は高めですが中小企業診断士の名前が履歴書にあると未経験者の転職でも内定率がグッと高まるでしょう。
転職スパンを長めに確保している方は、ぜひ勉強を始めてみましょう。
まとめ
今回はコンサルタントの転職情報でした。
コンサルタントは、需要の高さ・年収水準・業務内容どれをとっても魅力的なものであり、これまでの経験をステップアップさせるのにもってこいの職業です。
将来性も高く、幅広い業種へ参入しているので転職先としても人気が高まりつつあります。
しかし未経験者からの転職となると、難易度は自然と高くなるため、事前対策には時間をかけコンサルタントに必要なスキルを理解・習得しておくと良いでしょう。
書類作成・面接対策も重要なため、転職エージェントもうまく活用しながら、コンサルタントへの転職を叶えましょう。