今回は、コンサルタントの種類別の業務内容や待遇についてご紹介していきます。
コンサルタント職は、業務内容が同じにも関わらず、企業によって名称が違うこともしばしばあります。
転職を考えたとき、その種類の多さに「どれが自分にあっているの」と悩む人は少なくありません。
コンサルタントは業務内容を把握せず転職をすると、転職後のギャップや早期退職につながる可能性もあるため、事前にそれぞれの特徴を把握しておくことは必須です。
本記事では、そんなコンサルタントの種類ごとに区別がつくよう、仕事内容や平均年収を専門用語を少なくして解説していきます。
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【種類別】コンサルタントの仕事内容
企業によりコンサルタントの業務ごとの呼び方は様々ですが、一般的な分類として今回紹介するコンサルタントは下記の10種類です。
種類 | 業務内容 |
総合系コンサルタント | 国内外含め、幅広い分野へのコンサルティング |
戦略系コンサルタント | 経営・新規事業・M&A戦略 |
IT系コンサルタント | ITシステムの導入・システム業務改善 |
人事系コンサルタント | 人事制度や採用問題へのコンサルティング |
財務系コンサルタント | M&Aや財務に関しての問題解決 |
企業再生系コンサルタント | 経営難企業に対する立て直し |
監査法人系コンサルタント | 財務・税務関連やセキュリティへのコンサルティング |
シンクタンク系コンサルタント | 経済調査を行いデータを元にしたコンサルティング |
医療系コンサルタント | 医療機関全般への経営戦略 |
国内独立系コンサルタント | 国内の中小企業を対象としたコンサルティング |
コンサルタントはクライアントの業種・問題改善する内容 のどちらかによって分類されます。
ではひとつずつご紹介していきましょう。
総合系コンサルタント
総合系コンサルタントとは、業種や内容問わずあらゆる分野へのコンサルティングを行うコンサルティングファーム(コンサル企業のこと)です。
幅広い分野で活躍できそうに見える一方、在籍コンサルタントは業種ごとに担当となることがほとんどであるため、分野に特化したコンサルティング力が身に付きます。
在籍人数が多いので学びも多い、案件規模も大きくやりがいが高い、部署移動をこなすことで多方面へのコンサルティング力がつくなどから、転職することができれば確実にスキルの向上が見込めるでしょう。
また、総合コンサルタントは海外支社・クライアントを持つコンサルファームがほとんどなので、高確率で英語スキルを求められます。
戦略系コンサルタント
企業の経営上の「戦略」に関する課題解決を行う戦略系コンサルタントです。
戦略という枠は幅広く、M&Aや成長戦略はもちろん、マーケティング・人事・新規事業・ITなど多岐に渡った課題解決を求められるため、総合系コンサルファーム同様、幅広い知識が必要で、英語能力が必要です。
総合系コンサルファームと何が違うのか?
戦略系と総合系はよく混同されるコンサルファームですが、どちらも戦略コンサルティングを行うことは間違いありません。違いは【案件の規模感】や【情報収集先の数】です。総合系は戦略部署以外にもIT・業務・会計など様々な社内部署から情報を得ることが可能なため、情報量が必然と多くなります。
IT系コンサルタント
ITに関する企業の問題解決を行うコンサルがIT系コンサルタント。
以前は「ITシステムの導入」のみに視点を絞ったコンサルファームが一般的でしたが、最近ではさらに上流の「IT戦略策定」や「IT使用の業務改善」など、トータルでITと企業が関わる分野への問題解決をするようになってきました。
コロナ禍のリモートワーク普及などに後押しされ、近年増加傾向にあるコンサルティングファームの中でも成長傾向にある分野です。
IT系コンサルタントは、エンジニアのキャリアプランの一つとして考えられる分野でもあり、IT用語や専門性の高さが求められる種類のコンサルとなります。
人事系コンサルタント
人事に関する領域をコンサルティングするのが人事系コンサルタントで、人材採用関係はもちろん、人材育成や人事制度の問題解決まで携わります。
採用や人事関係は付随して福利厚生・退職金関連に関しての需要があるので、人事コンサルの中でも社会保険関係に特化した企業もあります。
人事系コンサルタントは英語能力などは必要ないが、採用プロセス・人事システムへの知見が求められるでしょう。
財務系コンサルタント
M&Aや財務に関連した課題解決に特化したコンサルティングを行う財務系コンサルタントですが、財務系といいながらも、戦略関連から携わるファームも多くあります。
近年は日本企業が海外企業を買収するケースが増加しているので、需要も高いコンサルタントのひとつです。
未経験では財務に関する知見がないとハードルは高いので、金融関係の経験を持つ人はチャレンジすると良いでしょう。
企業再生系コンサルタント
経営難に陥っている企業へ介入し、企業再生を行うコンサルが企業再生系コンサルタントです。
金融機関からの資金調達なども業務にあるため、一企業が企業再生に特化してコンサルティングを行う例は少なく、ほとんどが会計事務所・総合系ファームの中に「企業再生分野」として置かれています。
コロナ禍の影響で経営不振にある企業は増加しているので、これからまだまだ需要は高くなる分野で、こちらも財務系同様、専門性が求められる分野なので、未経験では少しハードルが高いでしょう。
監査法人系コンサルタント
監査法人系コンサルタントは、財務や税務関連とセキュリティに関するコンサルティングが多く、コンサルティングファームの中でも学歴・経歴が重視されやすい分野です。
監査法人系の中でも、各々の分野に特化した法人がそれぞれ活躍しており、転職の難易度は非常に高いですが、金融業界・税務関係の経験をもつ人はチャレンジしてみることは可能です。
シンクタンク系コンサルタント
シンクタンクとは、政治や経済などの分野を調査・研究によって分析し、結果を発表する機関のことを指します。
シンクタンク系コンサルタントはその分析結果から、さらに問題提示・解決を行うコンサルティングファームで、業務内容から政府や金融機関、日本の大手企業など母体となっている企業や組織がほとんどです。
医療系コンサルタント
病院、診療所、クリニックなど医療機関全般の問題解決を行うのが医療系コンサルタントです。
業務内容は医療業界の戦略・M&A・財務・売却など多岐にわたるため、総合系コンサルファームの医療業界特化型という認識を持つとわかりやすいでしょう。
また、医療といっても介護施設からの依頼もあり、医療施設基準や法律関係などの知識も必要とされます。
国内独立系コンサルタント
国内独立系コンサルタントとは、個人や中小企業を対象とした幅広い問題解決を行うコンサルタントです。
業務内容は問題に特化したコンサルティングを行うことはもちろん、その企業の顧問の様な立ち位置で、発生した問題ベースに対応していくケースもあります。
そのため、幅広い分野への対応能力が求められるが、営業力・生産性向上や品質管理など現場レベルでの競争力増強が求められる場合が多いでしょう。
コンサルタントの平均年収は?
次は、コンサルタントの種類別の平均年収についてご解説します。
まず結論として、コンサルタントは種類が多く企業により棲み分けがはっきりしていないことから、種類ごとの平均年収情報が比較できるレベルに公表されているものがありません。
そのため、今回は大手求人サイトの情報を複数比較してコンサルタントの年収を分析していきます。
まず、大手求人サイト3社の情報を見てみると、平均年収幅は470〜600万円程度となります。
サイト名 | コンサルタント全体 | 戦略 | IT | シンクタンク | 人事 |
求人BOX | 473万円 | 682万円 | 625万円 | 546万円 | |
doda | 499万円 | 664万円 | 458万円 | 499万円 | 554万円 |
平均年収.jp | 510万円 | 610万円 |
日本の会社員の平均給与は461万円(国税庁より)であるため、コンサルタントの年収は比較的高水準であることがわかります。
資格やポジションによって高収入を得ることも可能
また補足として、コンサル就業者の国家資格である「中小企業診断士」保持者の年収も見てみると、最も多いのは500〜800万円、1000万円〜1500万円、800〜1000万円と続きます。
先ほどご紹介した平均年収は、コンサルタント未経験者の年収も混同されているため、資格を取る・成果をあげる・役職に就くなどで、コンサルタントは年収1000万円台も夢ではない職業だと言えるでしょう。
未経験でもコンサルタントへ転職できる?
結論として、未経験からコンサルタントへの転職は可能です。
理由としては、コロナ禍の影響による戦略策定・IT導入・経営回復などの問題が企業で続出しており、コンサルタント導入は増加、未経験者への採用枠も増えていることが現実です。
さらに、コンサルタントに必要とされる論理的思考・提案力・傾聴力などのスキルは、コンサルタント職以外でも身につけることが可能なため、素質がある人は未経験者でも転職することができるのです。
しかし未経験者は転職後、業界知識の勉強や成果を上げるための努力を求められるため、その点の苦労は多いことを想定しておく必要があるでしょう。
その点がクリアできるのであれば、あとは将来性しっかりと売り込みつつ業務内容を適切に選ぶことで、未経験者でも満足にコンサルタント転職を行うことができます。
コンサルタントへ転職するには資格が必要?
コンサルタントになるには、無資格でも転職は可能です。
もし資格取得をめざすのであれば、コンサルティングのための国家資格である中小企業診断士があるとベストですが、難易度は高いため転職後の取得がベストでしょう。
そのほかには分析や戦略に関する資格など、業務内容に合った資格を取得していると履歴書でのアピールとなるため、転職まで時間に余裕がある人はやりたい仕事に合わせた資格取得を検討するのも良いでしょう。
しかし、コンサルタントの仕事は結果に結びつくことが第一なので、資格の必要性はそこまで高くはありません。
資格取得に時間をかけるのであれば、同じ時間を使って実際に使える経験や専門性をアップするほうが転職には有利に働くでしょう。
戦略コンサルであれば分析ツールを使える、人事コンサルなら人事管理システムへの知見をつけるなど、転職してすぐ活用できる実践的な知識をつけることを意識することが大切です。
コンサルタントへ転職する上手な方法は?
最後はコンサルタント転職を成功させるポイントです。今回は3つのポイントに分けて解説していきましょう。
前職の知識を活かした業務内容のコンサルへ転職する
前職や現職の業務内容が転職活かせる内容であれば、経験に沿った業務内容でコンサルの種類を選びましょう。
例えば、人事コンサルなら採用経験・人事システムの検討・導入経験などがそれにあたります。
コンサルティング業務自体が初めてだとしても、知識があるだけで仕事を覚えるスピードは全く異なります。コンサル未経験者でも即戦力として活躍することも可能です。
自分がやりたい内容で転職先を決めるのも良いですが、転職後のことも長い目でみて検討しながらキャリアプランを組むことで、後悔のない転職を叶えられるでしょう。
ケース面接対策は必須
コンサルタントの採用試験では、ロジカルシンキング(論理的思考力)ができるかどうかを測る「ケース面接(問題)」が採用試験に取り入れられています。
代表的なものでいうと、「日本の電柱の数を数えなさい。」という様な問題がこれにあたります。
コンサル転職で面接や採用試験で必ずといっていいほど発生するため、対策は必須と言えるでしょう。
またケース面接の対策としてついた思考力は、入職後も役にたつので無駄にはなりません。
対策用の書籍やYouTubeもあるため、入職前準備だと考え、早めにとり組んでおくことをおすすめします。
コンサル業界特化型の転職エージェントを利用する
コンサルティング業界の様な専門性が高い分野は面接や採用試験も独特のため、業界に詳しい転職のプロの意見を取り入れましょう。
一般企業の転職エージェントでも対策は受けられますが、業界特化型を選んでおくと、在籍エージェントの専門性がより高くなり、ケース面接の対策も受けることができるでしょう。
特に未経験者は、求人数や業界に関する情報量が圧倒的に少ないため、非公開求人や企業間のパイプがある転職エージェントは必須だと言えます。
転職エージェントの複数利用は2〜3社までがおすすめであり、利用しすぎは注意が必要ですが、うまく活用すれば転職の選択肢も広がる便利なサポートであるためおすすめです。
コンサルタント業界への転職にはデジレカがおすすめ
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まとめ
今回はコンサルタントの種類ごとの働き方や待遇についてご紹介しました。
一言に「コンサルタント」といってもその業務内容は多種多様です。
転職後に後悔しないためには、特徴をよく理解して自身に適正があるかどうか判断することが必要だと言えるでしょう。
曖昧に転職先を決めてしまうと「思っていた内容と違った…」「業務が辛くてついていけない」と早期退職も考えられるので、下調べは入念に行いましょう。
また自身での業界調査には限界があるため、転職エージェントを上手に使いながら情報収集と面接対策を行い、憧れのコンサルタント業界への転職を叶えましょう。