デジレカ読者の皆様も1度はCookieという言葉を聞いたことがあると思います。
これによって特定のページを訪れた履歴や入力情報を記憶することができます。
Appleが発表したITPによりデジタルマーケティング業界においても、Cookieについての関心度が高くなっています。
そこで、本日はCookieについてまとめました。
Cookieとはwebブラウザに蓄積される来歴情報です
AmazonやYahoo!などにログインし、再度来訪した際にログイン情報の入力が省略されていると思います。
このように、ログイン情報入力の手間が省かれているのはCookieによるものです。
仕組みとしては、webサイト側のサーバーがブラウザを通してユーザのコンピュータに一時的にデータを書き込み、一定期間保存する仕組みになっています。
Cookieが発行されることで、サイトを閲覧する際に過去の行動履歴を踏まえて最適化されたサイトページを閲覧する事が可能になったり、ログイン時の手間が省けたりします。
また、DSPを主とするアドテクノロジーも、Cookieデータから個人情報を入手することでターゲティングなどの「個」にフォーカスした機能が実装可能になっています。
Cookieの種類
Cookieは大きく分けて2種類存在し、この違いが後述するITPと密接に関係しています。
1st Party Cookie
1st Party Cookie(ファーストパーティークッキー)とは、ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから直接付与されるCookieであり、
ユーザーからブロックされにくい、という特徴を持っています。
ブロックされにくい分、1st Party Cookieでトラッキングを行う際はその精度が高くなります。
3rd Party Cookie
3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)とは、ユーザーが訪問しているWebサイトのドメイン以外から付与されるCookieであり
例えば、ユーザーの訪問先webサイトがSSPを導入して広告を配信している場合、その広告はwebサイトが持つサーバーから出稿されているわけではなく、別のサーバー(アドサーバー)から広告を出稿しています。この「別のサーバー」がこっそりユーザーにCookieを付与するイメージです。
ユーザーの行動履歴やサイトの属性が必要になるアドテク、トラッキングツールベンダーは
この3rd Party Cookieにより情報を取得しており、この取得した情報から最適な広告配信やユーザーの行動分析を行っています。
ITPの登場、揺れるデジタルマーケティング業界
2017年、Appleがユーザーのプライバシーを守るため、同社がサービス提供しているwebブラウザsafari iOS11.0以降において、ITPという機能の搭載を発表しました。
ITPは、24時間以内にSafari経由で同じサイトにアクセスがない場合、3rd Party Cookieのデータを削除してしまいます。
これは、ユーザが広告をクリックしてから24時間以上経過すると、コンバージョンが記録されないことを意味します。
上記にも記載しましたが、この機能の実装によりユーザーの行動やサイトの行動履歴を使った広告配信、トラッキングツールによるユーザー行動分析に制限がかかる事になり、デジタルマーケティング業界でも大きな話題となりました。
このAppleの発表によりデジタルマーケティング業界全体が揺れ動き、3rd Party Cookieを使用するDSPベンダーや、広告の効果測定ツール提供ベンダーは、ITPへの対応が急務となりました。
ITPは1.1から2.0へ、問われるCookieの価値
アドテクベンダー各社が、ITPへの対応を徐々に完了していた2018年6月、Appleは追い打ちをかけるように、ITP2.0を発表しました。
前回発表時のITP1.1では24時間以上経過した3rd Party Cookieデータを削除する仕様でしたが、ITP2.0の場合は即時破棄される仕様になるそうです。
ITP2.0の実装は2018年の秋を予定しているようですが、3rd Party Cookieを使用するツールベンダーはこれにより再びITP2.0への対応に追われることになります。
なお、ITPの発表によってCookieを用いた配信に制限が加えられましたが、制限されたのは3rd Party Cookieであり、1st Party Cookieに関しては全く影響がありません。
こうした背景があり、ITPの影響を受けていない1st Party Cookieを用いたターゲティングに再び注目が集まっています。
しかしながら、1st Party Cookieに付与されたデータには3rd Party Cookieのデータにはないユーザーの個人情報が含まれているため、取扱いには慎重な広告主が多いことも事実です。
Cookieを用いたリターゲティング施策やユーザー分析は、近年市場が急拡大しているアドテク業界にとって必要不可欠です。
今後は1st Party Cookieを用いた広告配信など第3者のデータに頼らない広告配信方法を模索する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ITPの登場により、これまでのデジタルマーケティング業界では当たり前だったCookieのデータ活用方法が大きく変わりそうです。
この項目では割愛しますがデジタルマーケティング業界を目指している方はぜひITPの記事もご一読いただき、理解を深めていただければと思います。
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