プログラマティック広告市場の拡大に伴い、アドフラウドやブランドセーフティーなど、プログラマティック広告の仕組みに起因する問題が顕在化しています。今日は、プログラマティック広告周辺の問題に伴い注目を集めるアドベリフィケーションについてまとめました。
アドベリフィケーションとは、プログラマティック広告が適正に配信されているかを確認・コントロールするためのツール
アドベリフィケーション(ad verification)とは、DSPやアドエクスチェンジなどを通し配信された広告が、
広告主のイメージ低下、ブランド毀損を招くようなメディアの広告枠に配信されていないか、
また、ユーザーが認識できる場所に広告が掲載されているか、を確認してコントロールするためのツールです。
近年、プログラマティック広告市場の拡大に伴い日本でもブランドセーフティーの重要性が提唱されることが増えてきています。
プログラマティック広告は、大規模な広告配信を一括して行う事が出来ますが、広告出稿先の媒体情報を広告主が確認できないケースもあり、意図せずブランド毀損のリスクがある媒体へ出稿されてしまう事もあります。
代表的な例として、アダルトサイトやフェイクニュースサイトなどが挙げられます。一時期話題になった漫画村問題も、同様の事例です。
また、アドネットワークやDSPなどで多く用いられているインプレッション課金方式における広告のインプレッションは、
Webページ上にある広告コンテンツがロードされたタイミングで発生するため、実際にユーザーの目に触れなかった場合でも、
広告主が掲載料を支払っている場合もあります。
アドベリフィケーションでは、ビューアビリティ(実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション比率)を確認する事も出来ます。
電通は、各社と連携してアドベリフィケーション推進協議会を設立
日本最大の広告代理店である電通は、深刻化するアドフラウド、ブランド毀損問題の前進に向け、インテグラル・アド・サイエンス社、Momentum社、株式会社電通デジタル、株式会社サイバー・コミュニケーションズらと共に、アドベリフィケーション推進協議会を立ち上げています。状況の改善に向け、各社と調査を進めつつ、調査結果の公表なども行っているので、適宜HPをチェックしてみても良いかもしれません。
アドベリフィケーションを活用して10%超えのリスク削減に成功した富士通の事例
DSPやSSP等のプロダクト開発・販売を行うsupership社は、アドベリフィケーションを提供するMomentum株式会社とグループ企業間での連携を強化しています。コーポレートサイト内で、10%のリスク削減に成功した事例が紹介されています。
引用ならびに参照:SuperMagazine「広告主向けアドベリフィケーションサービス「ハイトラ」で10%超のリスク削減に成功! 〜富士通流のブランドセーフティ活用事例〜」
一般的なアドベリフィケーションツールが持つ業種別のブランドセーフティロジックに加えて、事前の分析を基に設計されたカスタムロジックがより効果的なリスク回避を実現している事例です。
まとめ
如何でしたでしょうか?プログラマティック広告をめぐる問題が、深刻化しています。そのような中で、各ベンダー、代理店などの担う責任は大きく業界全体でネット広告の透明性を高めるための動きが加速化しています。今後も業界の動向を注意深く見守っていきたいですね。