オプトアウトとはユーザーが自分自身の意思決に基づいて参加や利用を拒否することです。オプトアウトは英語では「opt out」と表記しますが、「opt」とは「選択する」、「out」とは「外へ」を意味します。そのため、ユーザーがサービスなどの対象者になる権利を放棄することを指すのがオプトアウトです。対義語として用いられるのがオプトインで、ユーザーが自ら参加や利用の意思表明をすることを指します。つまり、サービスの対象になることを拒否するのがオプトアウト、許諾するのがオプトインです。
オプトアウトはメールやSMSなどをユーザーに配信するときに、ユーザーが受信しない意思表示をするという文脈でよく用いられてきました。ユーザー登録やサービスの利用申し込みの手続きを通して企業はユーザーのメールアドレスや電話番号の情報を取得可能です。その個人情報を使えばユーザーから許諾を得ずともメールやSMSを配信してユーザーにアプローチできます。その際にユーザーが配信を拒否する選択をするのがオプトアウトで、このような仕組みをオプトアウト方式と呼びます。ユーザーから取得した情報をマーケティングに使用する際にオプトアウト方式を用いるときには必ずユーザーに対してオプトアウト方式であることを伝えることが必須です。さらにユーザーがオプトアウトできる環境を整えなければなりません。
デジタルマーケティングではCookieやIdentifivcation For Advertisers(IFDA)、Google Advertising IDなどの情報をユーザーから取得して最適化された広告を発信する方法がよく用いられています。ターゲティングによって広告効果を上げる目的で一般的に行われていますが、Cookieなどのユーザーの行動やアクセス手段に関連する情報は個人情報保護についての懸念が生じる行為です。日本では個人情報保護法の改正によってCookieから得られた情報が特定の個人に対して紐づけられる場合には個人情報に該当することが明確にされました。
Cookieの利用に際してはユーザーの許可を求める必要がありますが、オプトアウト方式にしてユーザーに拒否権を与えるだけでも問題はないのが原則です。しかし、個人情報に該当する場合にはオプトアウト方式を採用していることを個人情報保護委員会に届出をすることが義務付けられています。Cookieなどのユーザー情報を取得する際には個人の特定が可能かどうかを一つずつ吟味する必要が生まれています。
世界的にはCookieなどのユーザーに関連する情報を個人情報とする傾向が強まっているため、日本と同じ方法で合法と見なされるかはわかりません。グローバルマーケティングを展開する際には各国の規制を確認し、オプトアウト方式の運用方法を検討する必要があります。