インターネット広告代理店の年収相場、ビジネスモデル、今後の将来性についてまとめました

インターネット広告代理店に在籍している人であれば、自分の年収が市場相場的に低いのか、高いのか、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。また、未経験からインターネット広告代理店への転職を検討している人にとっても年収相場は気になるはずです。ただし、基本的にはデジタルマーケターの平均年収は業態ごとのビジネスモデルや企業の収益率に依存します。そこで今日は、インターネット広告代理店の年収相場から、ビジネスモデル、将来性についてまとめました。

主要インターネット広告代理店の平均年収

インターネット広告代理店主要各社の平均年収についてまとめていきます。
参照:)平均年収.jp&年収ガイド

■サイバーエージェントの平均年収:703万4000円

■デジタルガレージの平均年収:620万2599円

■オプトの平均年収:603万4000円

■セプテーニの平均年収:566万9198円

■GMOアドパートナーズの平均年収:538万6000円

■アドウェイズの平均年収:527万1000円

■トランス・コスモスの平均年収:454.5万円

ビジネスモデルから紐解くインターネット広告代理店の年収

インターネット広告代理店のビジネスモデルは、広告枠の代理販売(メディアバイイング)です。これは、マス媒体(TV、CM)中心に取り扱いを行ってきた電通や博報堂などの総合広告代理店と相違ありません。

電通や博報堂は、テレビのCM枠を中心とするマス媒体の仕入れ、買い付けを行い、媒体側であるテレビ局から代理販売手数料を受け取る事で、収益を得ています。更に、仕入れたCM枠を売りやすくするために、コピーライティングやCM制作、リサーチなどをオプションサービスとして提供しています。

ネット広告代理店も同様に、WEBメディアやプラットフォーマーなどの媒体社から広告枠の仕入れ・買い付けを行うことで収益を得ています。しかし、マス媒体のメディアバイイングとWEB媒体のメディアバイイングでは、異なる点が一つあります。それは、「広告枠の希少性」です。

マス媒体においては、限られたキー局のCM枠は希少性が高く、当然供給側である媒体社が力を持つため、その価格は高騰し、伴い代理販売手数料を受け取る総合広告代理店が受け取る代理手数料も高値になります。

一方WEB媒体においては、希少性はほぼ皆無です。毎日のようにWEB上にはコンテンツが増え続けています。そうすると必然的に、薄利多売の構図が出来上がります。そのため、ネット広告市場における代理店の給与水準が総合広告代理店程吊り上がらないのです

一方で、サイバージェントの給与が圧倒的に高いのには理由があります。サイバーエージェントは、アメーバという強力なメディアがあります。同社は、広告代理業のみが収益源ではなく、事業ポートフォリオが完成されているからこそ、高収益体質であり続けられるのです。

勿論、広告代理事業においてもトッププレイヤーであるため、売上額が大きいことも理由の一つです。

インターネット広告代理店の今後の将来性

インターネット広告代理店の今後の将来性についてですが、勿論成長が期待できます。いまやCMを超える勢いでネット広告市場は拡大を続けています。その為、インターネット広告代理店で働く人材の需要は今後も高まっていくでしょう。

加えてネット広告代理店各社は、テクノロジーの発達に伴い、データを活用したソリューションなど、サービス提供の幅を拡げています。これにより収益率の向上も見込めることでしょう。

しかし、懸念もいくつか挙げられます。

・事業会社が広告代理店を活用しなくなっていく
・フルファネルでマーケティング設計できない代理店は淘汰されていく

デジタルマーケティングの市場が拡大しているという事はすなわち、あらゆる産業において、デジタルを介した消費者とのコミュニケーションが重要になっているという事です。そして、マーケティング活動は企業にとって、売上を左右する重要なファクターです。

ともすれば、ネット広告の運用を代理店に丸投げし、効率性やスピード感が鈍り、自社に蓄積していく貴重なユーザーデータをどう活用していいか分からない、そういった状況に陥る企業は、売上げを左右する重要なファクターであるマーケティング活動で他社と大きな差を付けられてしまう可能性があるということです。

先見性を持つ一部企業においては、デジタルマーケティングのインハウスが進んでいます。

現状、人材獲得やノウハウの蓄積といった面でハードルが高く、リソースを豊富に持つ大企業が中心になっていますが、今後も事業会社のデジタルマーケティングインハウス化の波は進むことでしょう。

このような背景を踏まえると、今後フルファネルでマーケティング設計が出来ないネット広告代理店は淘汰されていくでしょう。すなわち、ネット広告代理店は、広告をただ売りつけるだけでなく、データを活用し、web上のみならず、アプリ上、オフライン、顧客とユーザーの接点全てのファネルを用いて、統合的にマーケティング設計をおこなっていく必要があるということです。

少子高齢化や、デジタルデバイスの普及に伴い、従来の「マスコミュニケーション」から、「個々人に最適化されたコミュニケーション」が求められています。

最適化されたコミュニケーション戦略を設計するうえでは、様々なファネルに跨るユーザーデータの統合・オンライン、オフラインを交えたクロスメディア戦略の設計が欠かせません。現状のメディアバイイングを主軸としたサービスから、サービスクオリティの高度化およびサービス提供範囲の拡充が求められているのです。

ネット広告市場においては、このように移り変わる市場変化に合わせて、最適に変化していける広告代理店が顧客からの信頼を集めていくことになるでしょう。

おまけ~その他の業態・企業別の平均年収~

主要アドテクノロジーベンダーの平均年収

■フリークアウトの平均年収:654万1000円

■ブレインパッドの平均年収:640.4万円

■ロックオンの平均年収:569万9000円

■ユナイテッドの平均年収:538.9万円

大手媒体社の平均年収

■リクルートの平均年収:872万5812円

■LINEの平均年収:715万7360円

■カカクコムの平均年収:683万円

■ヤフーの平均年収:682.2万円

■クックパッドの平均年収:650.2万円

ASPの平均年収

■バリューコマースの平均年収:617.4万円

■インタースペースの平均年収:511.4万円

■ファンコミュニケーションズの平均年収:499.7万円

デジタルエージェンシーの平均年収

■ネットイヤーグループの平均年収:531.1万円

■メンバーズの平均年収:409.7万円

まとめ

如何でしたでしょうか?インターネット広告代理店を取り巻く市場は日々変化していきます。同様に、コンサルティングファームのデジタルマーケティングへの参入、ITPを始めとする、アドテクベンダーを取り巻く市況変化など、外部のステークホルダーの状況もめまぐるしく移り変わっています。キャリア設計において、最適な意思決定をできるように日々業界動向をウォッチしておくことが重要です。

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