SSPとは-デジタルマーケにおける役割とその仕組み、企業一覧-

デジタルマーケティング領域においては広告代理店やコンサル会社など、
広告主側の広告効果最大化が命題となっているプレイヤーが多く、広告主側のプロダクトであるDSPに比べると、焦点が当たりにくい媒体社側のプロダクト「SSP」ですが、現代のアドテクノロジーを語る上では理解しておくべき概念です。
そこで今回は、SSPについてまとめました。

SSPとは媒体社の広告収益を最大化するプラットフォーム

「SSP(Supply-Side Platform)」とは、
広告枠在庫を持つメディアの広告収益を最大化させるためのプラットフォームです。
SSPは媒体側に用いられるツールで、反対に広告主側に用いられるプラットフォームは「DSP(Demand-Side Platform)」と呼びます。

SSPの概念図

SSPとDSPはアライアンスを組み連携しており、相互補完の関係にあたります。
SSPは、接続先のDSP・アドネットワークにおいて最も収益性の高い広告主の広告を自動で選択して広告を配信するので、メディアの収益最大化が見込めます。

SSPの仕組み

①ユーザーがメディアに来訪します
②来訪されたメディアはSSPに対して、広告配信のリクエストを送ります。
③SSPが来訪ユーザーの情報を取り組み、提携先のDSPに通知します。
④各DSPの広告出稿リクエストの中で、最も高額の広告を入札します。
⑤入札された広告がメディアに配信されることによってユーザーに表示されます。

主要なSSP企業一覧

株式会社ジーニー(GenieeSSP)

株式会社ジーニーはリクルートのアドネットワーク事業の立ち上げメンバーが創業したアドテクノロジー企業です。
2014年10月にはソフトバンクと資本業務提携を行い一躍有名になりました。
その提携もあって2015年第4四半期ではSSP事業の売上高が前年比313.5%を達成し、国内のSSP事業者として日本一になっています。
「GenieeSSP」だけではなく、DSPである「GenieeDSP」、DMPの「GenieeDMP」を提供しており、
ソフトバンクグループが持っている膨大なデータとネット広告の収益化を1社で完結出来るのが強みです。

株式会社VOYAGE GROUP(Fluct)

株式会社VOYAGE GROUPは2015年9月に東証一部上場を果たしている事業開発会社です。
プロダクトは多岐に渡り、SSPのFluctだけではなくアドネットワークの「Zucks」や
ポイント事業である「ECナビ」の開発・運営を行っています。Fluctは、2010年10月に提供を開始しました。
SSPの提供だけではなく、経験豊富のコンサルタントが広告枠の掲載位置など1つ1つのメディアの特性や
ポリシーに合わせた最適なマネタイズプランを作成しているのが特徴です。

株式会社プラットフォーム・ワン(YIELDONE)

株式会社プラットフォーム・ワンはSSPのYIELDONEと、DSPである「Market One」などのプロダクトを開発・運営している企業です。
YIELDONEはDSPから送られてくる画像を事前にチェックする事が可能で
公序良俗に違反した広告などは配信を自動的に停止する機能があるので
媒体社は広告によって自社のブランドイメージを毀損される可能性が少ないため、安心して広告出稿が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。電通が発表している日本の広告費によると
運用型広告市場は年々上昇しており、これからも増加傾向にあると言われています。
SSPの台頭により、大規模な配信が楽に効率良く行えるようになった反面、自動入札機能によって
DSPやアドネットワーク経由で知らない広告が自社のメディアに配信されていています。
漫画村の一件のように、気が付いたら媒体のブランドイメージを毀損するような広告が自社のメディアに配信されていた
(公序良俗に反するサイトに自社の広告が配信されていた)という声も近年は少なくありません。
今後もどんどん広告の配信量は増えていくと予想されているので
媒体社側も自社のブランドイメージを守る事も視野に入れながら広告配信を行っていく事が求められそうです。

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