新卒の就職活動、中途の転職活動で、耳が痛いほど頻繁に挙がるテーマ「大企業かベンチャーか」。ちなみに筆者は、60名規模のアドテクベンダー→リクルート→起業なので、大企業もベンチャーも在籍経験があります。今日は、筆者の個人的視点から、また転職エージェントとしての立場から、「大企業かベンチャーか」議論について考えを述べていきたいと思います。

大企業orベンチャー問題について

そもそもベンチャー企業って?

ベンチャー企業とは、venture=「冒険的な企て」新技術・新事業を開発しチャレンジしている中小企業の事です。新しい事業に取り組んでいる中小企業の事をベンチャー企業と呼びます。

ベンチャー=裁量があるという言葉は鵜呑みにしてはいけない

ベンチャー企業ではマンパワーが限られている為、分業制が確立されておらず、幅広い業務に主体的に取り組む姿勢を要求されます。
このような環境を「裁量」と捉える事自体間違ってはいませんが、本当の「裁量」とは、「決裁権」を持っているという事です。

決裁権を持つという事は責任を持つという事です。いわゆる経営幹部、事業部長クラスの仕事ですね。責任を持てる仕事が出来るようになるには、ベンチャー企業であったとしても成果を出してポジションのレイヤーを上げないといけません。なので、「ベンチャー企業=裁量が持てる」ではなく、「ベンチャー企業=組織階層が比較的フラットで大企業よりポジションレイヤーを上げやすい会社が多い」という解釈です。

中小企業でも、課長、部長、事業部長、といったように組織改装が多重階層になっていれば、裁量権とは程遠くなります。反対に、大企業でも組織階層がフラットな会社もあります。実際、リクルートやDeNA、外資系企業などでは若手でも大きな仕事を貰えますし、組織階層もフラットです。

風通しの良い環境かどうかは組織規模に比例しない

先程の裁量権とも近い話で、社内の風通しの話です。たまに裁量権≒風通しの良い環境と混同した認識になってしまっている人もいます。しかし、裁量権と風通しの良い環境かどうかは似て非なるものです。

・裁量権=仕事の決裁権
・風通しの良い環境=組織風土

です。風通しの良い環境かどうかは、組織規模に比例しません。

私の場合ですが、新卒で入社したベンチャー企業では逆に風通しが悪く居心地が悪かったのを記憶しています。元々組織カルチャーにフィットしておらず、自分が勝手に同調圧力を感じて意見を言いづらい環境にしてしまっていました。

反対にリクルートは非常に風通しが良く、上長に対して、役員に対しても意見や提案を自由に好きなだけ出来ていました。風通しの良さとは、組織風土、人との相性など様々な要因に基づく問題です。

同じ環境でも個人差があります。したがって、風通しの良さは、企業規模に比例しません。

風通しが良いかどうかを考える際には、自分の価値観や一緒に過ごしてストレスを感じない人の定義を整理し、企業に対してなるべく多くの情報収集(カルチャー、人、労働環境など)を行い、「自分の風通しの良い環境」と比較して考える事が大切です。

大企業は成長出来る、とても良い環境

大企業は資金を潤沢に持っています。その為、派遣事務の方がいて、PCのセットアップを勝手にやってもらえて、請求書も自分で作らなくて良くて、最先端の業務システムを活用している事も多いので、工夫次第でいくらでも業務を効率化できます。

余計な雑務に時間を取られることがありません。それでいて、大規模プロジェクトに携われる可能性も高いです。且つ、沢山の人に囲まれているので、沢山の人から学びを得る事が出来ます。

給与も良い。世間体も良い。言う事ありません。ベンチャー企業でしか出来ない仕事よりも、大企業でしか出来ない仕事の方が多いのでは?とすら思います。個人的に、20代のうちに大企業を挟むことは、「組織で働く事を学ぶ」という観点でとてもオススメです。

じゃあベンチャー企業で働くメリットって?

ここまでの内容だと、ベンチャーは駄目!大企業行った方が良い!的な話になってしまいます。けれども、伝えたいのはそういう事ではありません。ベンチャーはベンチャーで良いところがあります。

自分の仕事が組織の売上に直結していることを肌で感じられる、当事者意識を持って仕事しないといけない環境、経営陣と近い距離で仕事が出来る、組織の成長過程を感じる事が出来る、雑務等余計な仕事までこなさないといけない為、タスク処理能力が高くなりやすい、教育体制がない為、自分の頭で考えて行動する癖がつく、企業によってはストックオプションなどが期待できる、等々です。

市場価値は、どの市場で何をやってきたかで決まる

で、結局どっちがいいの?って話ですが、最後にもう一つ話をさせてください。市場価値は基本的に、どの市場で何をやってきたかで決まります。企業規模は全く関係ありません。

たまに「大企業からベンチャーに行くのは簡単で、ベンチャーから大企業行くのは難しい」などと聞きますが、正直根拠の薄い話だと思っています。

どちらが先であろうとも、どの市場で何をやってきたかで市場価値は決まります。だから、ベンチャーとか大手とか関係ないんです。

結局大企業とベンチャー、どっちがいいの?

人によります。ただ、「市場価値がどの市場で何をやってきたかで決まる」をいう前提条件を踏まえると、大企業かベンチャーかを考える前に、

あなたの実現したい事、ありたい姿は何か
選ぶべき市場はどこで、何をするべきか
・あなたの価値観とマッチするのはどんな会社か

をまず決める事が重要です。そのうえで、あとは好みや条件を踏まえて選べばいいんです。何でも自分でやりたいし、従業員が沢山いると歯車になったように感じてしまい、嫌だ、という人もいれば、余計な雑務はやりたくないし、ブランドネーム重要だし、大きなお金動かしたいし、という人もいます。これはもう好みの問題です。

まとめ

ベンチャーだの大企業だの関係ないです。自分がどんな市場で何をやりたいのか考えて、それが出来る市場に行くことが最も合理的です。誤った認識を持たない事が大切です。市場価値は企業規模とは関係ない。という前提条件を踏まえて企業選びをしてみてください。勝手に選択肢が絞られるはずです。そのあと、あとは好みで居心地の良い環境に行けば良いのです。

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