O2Oとは、Online to Offlineの略で、ネット上で集めた顧客を実店舗に誘導するためのデジタルマーケティング戦略を意味します。もともとは実店舗で商品を確認した顧客がネット上で最安値の商品を購入する「ショールーミング」対策として誕生しました。
O2Oの例としては、WEBサイトやスマホアプリなどを利用し、実店舗で使用できる割引クーポンを配布する方法が代表的です。また、店舗の在庫情報やアクセス方法などをわかりやすく表示させることによって、顧客を実店舗へ誘導することもO2Oの一例と言えるでしょう。他にも、モール型ECサイトのポイントを実店舗でも利用可能にする、SNS上での商品の紹介および実店舗で行われるセールやイベント情報の告知なども一般的なO2Oの施策です。
O2Oは小売店のみではなく、美容室やエステなどのサービス業においても積極的に取り入れられており、今や必須のマーケティング戦略となっています。
O2Oの最大のメリットは、集客効果の計測が容易な点です。他のオンラインマーケティングにおいては、実際の効果が計測しづらい難点がありました。その点O2Oでは、例えばクーポンを使用した顧客の人数を数えるだけで簡単に集客効果を把握することができるため、マーケティングに精通していない小規模な企業でも費用対効果を実感することができます。またネット上で手軽に幅広い客層へアピールできるのも利点です。これにより新規、リピーター問わず多くの来店を促すことが可能になります。
多くのメリットを持つ一方で、O2Oは企業から消費者への一方通行のメッセージになりやすく、実際の販促効果が薄いという課題も見えてきました。
O2Oはあくまで顧客を実店舗へ誘導するための補完的戦略と考える必要があります。実際に売り上げを獲得するためには、実店舗での販促および他のマーケティング施策と組み合わせることが求められると言えます。