今回はコンサルタントの中でもマーケティングに特化したアドバイスを担う「マーケティングコンサルタント」についてご紹介します。
マーケティングコンサルタントはマーケティングの知識を活かせることや、年収も高水準であることから人気の高い職業です。
本記事ではマーケティングコンサルタントの平均年収に加え
- マーケターとの違い
- 具体的な仕事内容
- マーケティングコンサルタントになる方法
など、マーケティングコンサルタントへの転職を悩む方の疑問を解決できる内容を集めました。
転職の情報収集の参考にぜひご覧ください。
マーケティングコンサルタントとは?
まず初めに、マーケティングコンサルタントとは何なのか?という点についてお話していきます。
よく「マーケター」と混同する人がいますが、役割や仕事内容は少し異なります。どう違うかというとそれはマーケティングとコンサルティングの言葉の違いに着目してみましょう。
「マーケティング」:クライアントの「これを売りたい」という希望をベースに分析・戦略立案を行い実行に移す。マーケティングを行うのが「マーケター」。 「コンサルティング」:「そもそも何のためにその商品を作るのか?」というゼロベースから参入し、課題の抽出・提案を行い問題解決を行う。 |
どちらも似ていますが、企業に関わるスタートラインがまず異なります。
そしてそれらを合わせた様な「マーケティングコンサルタント」とは、コンサルティング業務の中でもマーケティング(販売戦略)に特化したアドバイスを企業に行うことができる専門家なのです。
マーケティングコンサルタントの具体的な仕事内容は
- マーケティング課題の抽出と解決策の提示
- 市場ニーズの調査・分析
- 分析結果に伴い、具体的なマーケティング手法を提案・実行
この様な内容で商品販売率・顧客満足度などをアップさせることを目的とします。
2〜3の分野はマーケターでも行いますが、1の「そもそもの課題・問題は何か?」という問題定義から解決まで一貫して行うのがコンサルティングの領域となるのです。
マーケティングコンサルタントの年収は?
次はマーケティングコンサルタントの平均年収についてです。求人ボックスによる平均値では戦略(マーケティング)コンサルタントの平均年収はと742万円となります。
コンサルタント業は歩合制が多いこと・平均年収は入社当時の年収も加味されていることを考えると、実際は1000万円プレイヤーも珍しくはないでしょう。その証拠として大手である博報堂のマーケティングコンサルタントの募集は年収が最低850万円からの募集となっています。
ただしほとんどの企業が給料には固定残業代込みであり、コンサルタント業はクライアント次第で残業・休日対応が多くなる職業です。多忙であるが上に年収が高い部分もあるため、あらかじめ理解しておくべき点となるでしょう。
その点が気にならないのであれば、スキル・成果・を求められますがマーケティングコンサルタントは大幅な年収アップを狙ことができる職業と言えるでしょう。
マーケティングコンサルタントに転職する方法は?
マーケティングコンサルタントは大きく分けて3つの企業で募集がかかるので、転職を希望する場合は以下の様な企業に絞り、求人を探してみましょう。
- コンサルティングファーム
- 販売コンサルティング会社
- 企業内のマーケティング部門
コンサルティングファーム
様々な業種へコンサルタントを行う企業です。コンサル会社とも言われ、企業によって強いジャンルを持っているので、公式HPなどで会社の特色・これまでの事例をよく調べて応募するといいでしょう。
コンサルティングファームへ転職するデメリットとしては、多様なジャンル(会計・人事・業務改善など)へコンサルに入るため、マーケティング分野以外も任される場合があります。
マーケティング部門への希望が強いのであれば、あらかじめ伝えておくか、販売戦略に特化したコンサルティング会社に転職を希望しましょう。
販売コンサルティング会社
先ほどのコンサルティングファームの様に多方面の業種へコンサルティング介入するのではなく、販売戦略に特化した企業です。
販売戦略といっても業種が様々にあるので、こちらも同様に企業ごとの特色をよく理解して、興味のある業種を絞ってみると転職活動がスムーズでしょう。
企業規模も10名〜数百名の老舗企業まで様々なので、どのような環境下で学びたいのかも加味して考えるとさらに転職先が絞りやすいです。
企業内のマーケティング部門
近年は企業のインハウス化が進んでいるので、自社でマーケティング部門を設けている企業や、広告代理店がコンサルタント部門にも手を広げるようなパターンもあるため、企業内のマーケティング部門としてコンサルティング業務を募集することもあります。
しかし企業内のマーケティング担当になると、その企業の事案だけを担当することになるため「様々な事案を担当して経験を増やしたい。」と言う方は入職後のギャップに悩むリスクもあります。
どの企業を選ぶにせよ、自身のやりたい仕事を明確に棚卸ししておくことが必要だと考えられます。
マーケティングコンサルタントに必要なスキルは?
マーケティングコンサルタントは無資格でも転職することが可能です。
しかしマーケティングコンサルタントに求められるスキルについては、事前に調べておくと転職活動の助けにもなり、入職後も仕事をする中で必要となるので、理解しておきましょう。
コンサルタント業は問題提起・解決そして提案と一貫して行うため、俯瞰した目線で物事を見れる人が向いている傾向にあります。
具体的なスキルとしては以下の様な物になるので、これまでの仕事内容・自身の得意なこととすり合わせし、コンサルタントに向いているかどうかの判断基準にしてみるのもおすすめです。
- マーケティングの知識
- 情報処理能力
- コミュニケーション能力
- 業界知識
- 経営学に関する知識
ではひとつずつ解説していきます。
マーケティングの知識
マーケティングコンサルタントは「マーケティング」のコンサルを行う販売戦略の専門家です。そのため、マーケティングに関する知識がないとまず話になりません。
マーケティングとはそもそも何なのかと言うことはもちろん、商品開発や流通に関する知識・経験があると即戦力として活躍できるでしょう。
商品の企画〜販売後の分析・改善までの流れをよく理解しておく必要があります。
情報処理能力
販売戦略を練るためには、論理的な思考を持つ必要があります。実際のデータから根拠のある理由を導き出し、それを元に企業の経営陣に提案を行うため、データ抽出・分析できる能力は必ず必要となります。
経営学に関する知識
マーケティングコンサルタントとして働くには経営戦略に関する知識も必要です。
クライアントがどのような経営戦略を図っているのかを知ることで、よりよいコンサルティングができるからです。
経営方針に合わせたマーケティング戦略の提案ができればクライアントの満足度も上がるでしょう。
コミュニケーション能力
マーケティングコンサルタントはオフィスワーク以外にも対面で仕事することが必須となる職業です。各担当とのヒアリング、提案のプレゼン、実際に提案した内容を実行するときの指示能力など、対人で話す機会は多いため、コミュニケーション能力は高い方がいいでしょう。
業界知識
マーケティングコンサルタントもどの業界に参入するかによってやり方が異なります。
例えば化粧品会社のコンサルタントを行うのであれば、今どの年代にどの様なメイクが流行っているか、有名メーカーはどの様な販売戦略を導入しているのかなど業界知識が必要となるでしょう。
業界知識に関しては転職先が決定してから少しでも調べておくと、入社後の基盤となり行動しやすくなるので、リスト化しておくのがおすすめです。
マーケティングコンサルタントにおすすめな資格3つ
前述の通り、マーケティングコンサルタントは無資格でも転職ができます。
しかし資格取得することにより履歴書上のアピール・自身のスキルアップなど感じられるメリットもたくさんあるので、マーケティングコンサルタントにおすすめの資格をご紹介しておきます。
今回ご紹介するのは以下の5つです。
【マーケティングコンサルタント おすすめ資格】
- 中小企業診断士
- マーケティングビジネス実務検定
- データ解析士
ひとつずつご紹介していきます。
中小企業診断士
コンサルティング関係で唯一の国家資格である中小企業診断士は難易度も高いですが、取得すればスキルはもちろん、ネームバリューとしてもクライアントにアピールしやすい資格となります。
試験は1次・2次試験の2段階で筆記・論述試験があり、国家資格ですが誰でも受けることができます。
【中小企業診断士 試験内容】
項目 | 内容 |
問題形式 | 第1次試験(筆記・多肢選択式)<>・第2次試験(筆記・口述) |
合格基準 | 1次:総点数60%以上かつ各科目で40%以上2次:筆記は総点数60%以上かつ各科目で40%以上 口述は60%以上の評定 |
受験資格 | 制限なし |
費用 | 1次:13,000円 2次:17,200円 |
未経験者にはハードルが高いですが、経験者・将来的に独立を考えている人にはぜひ取得してほしい資格です。
マーケティングビジネス実務検定
マーケティングビジネス実務検定とは、業界にこだわらず、マーケティング全体の基礎的な知識について習得するための試験です。
「実務検定」と言うだけあり、仕事に活かせる様な実務的な内容となっており、A〜Cまで習得する内容で難易度が分かれます。
A級:戦略立案・意思決定・管理・判断業務
B級:業務運営
C級:定形業務
試験内容は以下の通りです。
【マーケティングビジネス実務検定 試験内容】
項目 | 内容 |
試験形式 | 正誤式・選択式・語群選択式、四肢択一式 |
科目 | マーケティング知識・マーケティング事例 |
合格基準 | A級:2科目の合計点について試験委員長が定める点数 B級:2科目合計点の70%を基準に試験委員長が定める点数 C級:2科目合計点の80%を基準に試験委員長が定める点数 |
費用(税込) | A級:12,760円 B級:7,480円C級:6,270円 |
自身の経験により挑戦する試験を選ぶことができるので、未経験者でも段階的にスキルの習得をすることが可能です。
即戦力として活躍できる実務的な試験なので、マーケティング業界への転職を悩む人はぜひ挑戦してみましょう。
データ解析士
データ解析士は、実務教育研究所が開講している多変量解析実務講座を受講することによって取得できる資格です。
講座では回帰分析をはじめとした幅広い分析手法を体系的に学習することができます。
試験の概要は以下のとおりです。
【データ解析士 試験内容】
講座名 | 多変量解析実務講座 |
受講期間 | 4か月 |
受講料 | 49500円 |
修了条件 | 期間内に全ての報告課題を提出・合格して最後の試験にも合格 |
マーケティングコンサルタントの転職にはデジレカがおすすめ
マーケティングコンサルタントは人気の業種でもあるため、内定率アップのためにも転職エージェントの利用をおすすめします。
数ある転職エージェントの中でも、「デジレカ」は、面談後決定率40%の実績を持ち、年間2000人もの求職者の転職を支援している敏腕アドバイザーからサポートを受けることが可能です。
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- 入職手続き・企業への交渉
初回面談はオンライン・対面どちらでも可能のため、自分にあったものを選ぶことができます。
転職のプロからの専門的な意見を取り入れることでマーケティングコンサルタントへの転職を叶えましょう。
まとめ
今回はマーケティングコンサルタントについての基礎知識についてご紹介しました。
マーケティングコンサルタントは、業務量が多く休日出勤もありますが、成果にあった報酬を得ることができるやりがいのある職業です。
販売戦略をコンサルタントする企業はここ数年でかなり増加したため、企業の選択肢も複数あり、興味のある業界やその会社の特徴などで選べるほどとなりました。
数が増えすぎて「一体どの企業が自分にあっているの?」と迷う場合もあるので、そんなときは転職のプロである転職エージェントも上手に活用しながら、自分の希望・特性にあった転職を叶えましょう。