広告運用をインハウス化しても、見切り発車から結果的に失敗してしまい、代理店への委託に戻ってしまうことはよくあります。インハウス化するためには、どのような行動をすれば良いのかはわからない人も少なくありません。
そこで本記事では、インハウス化を検討している企業担当者やインハウス運用者への転職を検討したい方へ向けた次の内容をご紹介していきます。
- インハウス化の意味
- インハウス化するための必要な要素
- インハウス化を検討する要素
初心者へ向けた記事内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
広告運用のインハウス化とは「自社で計画から実行まで完結させること」
広告運用のインハウス化とは、計画から実行までを社内でおこなうことです。主な目的として、代理店への手数料を節約できるからです。しかし、実際に取り組んでみて、失敗した事例もあります。そのため、インハウス化には何が必要なのかを確認したうえで、進めていくのが重要です。
広告運用のインハウス化には専門的な知識を持った人材が必要
広告運用をインハウス化するためには次の業務がおこなえるような、マーケティングの知識を持った人材が、必要不可欠です。
- 市場の分析
- 運用データの分析
- 企画や制作
社外から人材を確保する場合、人件費が高額になってしまい、代理店へ委託したほうが安価で済む場合もあるため、注意が必要です。
広告運用のインハウス化を検討する2つの要素
インハウス化を検討する要素は以下の2つです。
- 広告費
- 人材
それぞれ見ていきましょう。
広告費をいくら払っているか
自社広告をインハウス化する判断基準のひとつが現在の広告費です。依頼している代理店への手数料が1か月200万円を超えている場合、インハウス広告を導入する初期費用として使える額と同等であるため、検討すべきでしょう。
必要な人材を確保できるか
もうひとつの基準として人材確保に焦点をあてましょう。広告運用には専門的な知識が必要なため、誰でもできる業務ではありません。人材が確保できても、スキルがない場合、研修が必要となりコストがかかります。
人件費と広告費を合算した結果、トータルでみてインハウス化したほうが採算が取れるのかを検討することも重要です。
インハウス化のメリット4選
次に、インハウス化のメリットについて説明します。
代理店に支払う手数料を削減できる
広告運用を代理店へ委託する場合、広告費の20%程度の手数料が発生します。
広告費の予算が増えるほど、手数料が高額になるため、インハウス化した際のコスト削減効果は絶大です。浮いた予算を自社の広告運用費に充てることで、事業成長にも繋げられるでしょう。
運用のノウハウが社内に蓄積できる
インハウス化した広告の運用に関する業務はすべて社内で行います。
そのため、ノウハウを蓄積できるだけではなく、対象を複数用意してどちらがより良い結果を出せるかテストするABテストなどの結果も、すぐに確認から改善までがスピーディに行えます。
もし結果が出なくても、蓄積したノウハウを利用して、新たな戦略を立案・実行ができるため、将来性に向けた投資としてインハウス化を導入する企業もめずらしくはありません。
スピード感のある広告運用ができる
代理店へ委託した場合、担当者の不在などで、急な事態が起きてもすぐに対応できない可能性があります。インハウス化することで、社内で計画から実行までを完結できるでしょう。出荷停止や予算の変更など、急な事態が起きても即座に対応できる点が、メリットだと言えるでしょう。
自社データを利用できる
インハウス化した場合、顧客情報などのデータを活かすことで、より効果的なマーケティングが可能になります。
代理店へ委託した場合、担当者の知見不足により誤った提案を受け、広告運用が思うようにいかないこともあるでしょう。自社データで広告運用をすることで、方針に合った広告運用が可能となります。
インハウス化のデメリット
インハウス化けるのデメリットとしては大きく3つがあげられます。
- 人材不足による進行の遅れ
- 業務の属人化
- 知識不足になりやすい
インハウス化した場合、導入直後は人材のスキル不足・人手不足などが影響し予想通りに計画が進まない可能性もあります。初めてインハウス広告を検討する企業は、中長期的な計画とトラブル対処のマニュアルなども作成した上で、万全の対策を準備することが得策です。
また、インハウ広告は専門性が高いため、業務が属人化しやすいです。特定の担当者にしか、業務が行えず、急な体調不良や離職をした場合、広告運用の停滞や、成果が落ちる恐れがあるでしょう。
広告運用のインハウス化が失敗しないための4つの具体的な方法
次は、失敗しないためのポイントを紹介しましょう。
業務の属人化を防ぐ
先述した通り、広告運用には高い専門性が必要です。
専門的な知識を高める必要があるため、人材育成には力を入れる必要があります。
定期的に研修やトレーニングをおこなったり、外部から講師を招くことで、自社では得られない知識やスキルを身につけられます。
また、担当者が不測の事態になった場合でも、業務を引き継ぐために、マニュアルなどの情報を社内で共有することも重要です。
支援サービスを利用する
支援サービスを利用することで、インハウス化が成功する可能性を高められます。
支援サービスでは、インハウス化に切り替えた際の失敗する原因である
- リソース不足による業務停滞
- ノウハウ不足による情報収集
などを防げるように、サポートしてくれます。
また、支援サービスによるセミナーを受けることで、スキルアップやインハウス化に関する質問や相談をすることも、可能です。
段階的にインハウス化をおこなう
失敗を防ぐためには、段階的にインハウス化を進めることが重要です。
1度にすべてインハウス化した場合、人材確保や経験ノウハウが足りないことが原因で、失敗する可能性が高くなります。
そのため、先述した支援サービスなどを利用して、人材の確保や成長に合わせたりして、段階的にインハウス化をおこなうと良いでしょう。
インハウス広告に関するまとめ
インハウス広告について本記事でご紹介した内容をまとめていきます。
運用型広告のインハウス化とは「計画から実行までを社内で完結させること」※ボックス
インハウス化へ切り替える検討材料
- 専門性を持った人材を確保可能かどうか
- 代理店に払っている手数料が1か月200万円を超えている
インハウス化のメリット・デメリット
◼️メリット
- 削減した手数料で、業務成長につなげられる
- 運用のノウハウが社内に蓄積でき、新しい戦略を立てられる
- 広告運用が自社で完結できるため、急な事態に対応できる
- 自社データを利用して、効果的なマーケティングができる
◼️デメリット
- 専門性の高い人材を集める必要がある
- 属人化しやすいため、業務が停滞する恐れがある
- 情報収集が難しいため、成果が出にくい
インハウス化が失敗しないためのポイント
- 人材の育成に力を入れマニュアルなどで情報を共有して業務の属人化を防ぐ
- 支援サービスを積極的に利用する
- 1度にすべてインハウス化せずに人材の成長などに合わせて段階的におこなう
適切な手順を踏むことで、運用型広告のインハウス化を実現できます。自社の現状や将来性を加味した検討をおこないましょう。