マーケティングリサーチャーに向いてる人は?仕事内容・年収・転職方法を徹底解説!

マーケティングリサーチャーとは?

マーケティングリサーチャー(marketing researcher)とは、その名の通り市場調査をおこなう職種であり、販売する製品のニーズ調査やクライアントの課題解決のため、データや統計から情報収集し根拠のある事実として把握し、分析していきます。

1900年代後半より発祥したマーケティングの考えは、当初は製品メインの考えで、製品そのもののイメージ戦略といった手法が中心でした。しかし2000年代よりインターネットの爆発的な利用率増加の影響で、ユーザーが自由に情報を集め、使いたい商品・サービスを選択することができる時代へと変化したため、ユーザーの趣向や反応を読み、想定するマーケティングの必要性が求められてきたのです。

そこで、市場情報からユーザーニーズの分析・予想ができる役割が必要とされ、次第にひとつの職種として確率していったのがマーケティングリサーチャーなのです。

変化していくユーザーの求める製品やサービスを展開していきたい企業にとっては、なくてはならないスペシャリストと言えるでしょう。

マーケティングリサーチャーの仕事内容

マーケティングリサーチャーがどんな職業かわかったところで、仕事内容について詳しく解説していきましょう。

マーケティングリサーチャーは、対象となる製品・課題によって仕事内容が異なることもありますが、主に次の内容の業務に分類されます。

  • 市場調査
  • 企画・開発
  • 調査・検証

ひとつずつ解説していきましょう。

市場調査

マーケティングリサーチャーの仕事内容として一番想像される業務が、市場調査です。ユーザーからアンケートやインターネットを通じ、リアルな意見を集める重要な仕事となります。

市場調査の方法は、製品の性質によって変えられますが、次のようなものが主流となるでしょう。

インターネットやメールのアンケート

街頭インタビュー

座談会

最近は手軽に意見調査ができるネットでのアンケートが使用されることも多いですが、ユーザーの顔が見える信憑性の高さから、対面調査もまだまだ利用されます。

事前に製品の対象となるユーザー層を選定し、質問内容・質問書式を用意するのもマーケティングリサーチャーの仕事です。集めた情報より、どのようなニーズがあるのかを分析、製品開発の課題を明確にしていきます。この時点で競合他社に同じ傾向の製品があるのであれば、その製品とも比較検討し、どのように売り出すのかも計画していきます。

企画・開発

市場調査で集めた情報を分析した結果から、製品企画・開発をおこなっていきます。始めは企画案として出したものを、PMや他職種と精査し、方向性決定となります。マーケティングリサーチャーが直接製品の開発をおこなうわけではありませんが、企画案を作る段階で重要な役割となることは変わりありません。

マーケティングリサーチャーは製品の内容の企画はもちろん、開発後にどう売り出していくかも考える必要があるので、パッケージなどの外見や商品名の発案も提案することが仕事となります。

ただ数字に向き合い分析するだけの力ではなく、そこから何かを生み出す発案力やアイディア性も求められる職業と言えるでしょう。

調査・検証

企画した製品が販売されたあとも、マーケティングリサーチャーは活躍します。

例えば、リリース後、売れ行きがよくない製品があれば、改めて情報を集め原因を探る必要性があったり、逆に売れ行きが好調なのであれば、ユーザーに人気の理由を検証し、次の製品開発に活かす理論として明確にします。

企画したものが広告などの流動性があるものであれば、変化する数値を集め、検証し続けることも必要であるため、リリースした後も仕事が続いていくので、同じ作業を繰り返しできる継続性が必要となる職業です。

マーケティングリサーチャーの平均年収

マーケティングリサーチャーの平均年収は620万円(参照「求人ボックス」)と、国内では高い年収レンジとなります。地域によって年収は多少異なりますが、一番低い地域の年収でも500万円台となるので、金銭面で満足感を得る人も多いのではないでしょうか。

また、勤める企業によっての年収差は開きやすいため、コンサルファーム・外資系企業・リサーチ企業など、転職する企業によっての平均年収は別途調べる必要性がありそうです。特に、コンサルファームなどは、仕事を受ける案件によって年収差は大きくことなるので、注意しましょう。

マーケティングリサーチャーは、キャリアを積んでいくと、マネージャーやCMOとしても活躍できる将来性があるため、実績や経験次第で年収アップも期待できる職業です。平均年収の高さや将来性からみても転職を検討すべき職種であると言えるでしょう。

マーケティングリサーチャーの将来性

マーケティングリサーチャーは、現在のニーズも考え、非常に将来性が高い職業であることがわかります。インターネットの普及から、これからも製品ニーズは多様化していくことに加え、新たなニーズの発生からの課題解決の必要性もどんどん高まるでしょう。

さらに、マーケティングリサーチャーの仕事内容がまだ浸透していない企業も多いことから、これから間口はどんどん広がっていくことと、指導できる中間管理職としての立場を任せる人物像の需要も高まっていくことも予想されます。

前述でもお話したように、職種自体の将来性として、企画マネージャーや統括責任者としてのキャリアパスも考えられることから、内外要因どちらからも将来性の高さが見込める職業であると言えるでしょう。

マーケティングリサーチャーに必要なスキル

マーケティングリサーチャーに必要なスキルは分析や課題解決・発想力に繋がる次のようなスキルです。

調査・分析スキル

仕事内容からもわかるように、マーケティングリサーチャーは分析ができなければはじまりません。

数字から結果を導き出す力が必要とされるため、ただ情報を集めるだけでな、統計学や分析手法を知っておく必要があるでしょう。大学や専門学校で知識をつけておくことがベストですが、未経験の場合でも統計検定などで勉強することも可能なため、転職前には受験することもひとつの手段です。

企画・提案力

マーケティングリサーチャーは分析結果から製品開発にまで結びつけることも仕事です。

集めた情報から、製品を生み出すアイディア性をもっておく他、普段から引き出しを増やすための情報収集をしておく必要があるでしょう。また、考えた企画を魅力的に伝えるための提案力や言葉選びができるスキルもあるとより良いです。プレゼンテーターがいるような企業もありますが、ほとんどはマーケティングリサーチャーが一括して行う業務であるため、分析から提案まで行える人物像を目指しましょう。

課題解決力

リリース後に問題が生じた場合の課題解決力も必要です。

発売されている製品を改善することはむずかしくとも、次回の製品開発に活かすための問題点の洗い出し・課題点の抽出ができる力を持っていると社内でも評価されやすく、担当案件の増加につながります。

コミュニケーション力

マーケティングリサーチャーは街頭インタビューで初対面の人から意見を聞き出す必要があるため、人見知りしないコミュニケーション能力が必要です。

また、製品企画の際に、社内で技術部や企画職へ自身の考えを伝えるための会話術など、社内外でもコミュニケーション能力が必要とされるでしょう。

また、企画提案時のプレゼン能力やクライアントニーズを聞き出す傾聴力も、マーケティングリサーチャーのコミュニケーション能力として必要です。外資系企業を目標とするのであれば、語学力があると歓迎されるでしょう。

マーケティングリサーチャーに向いている人

数字に怯まず向き合える人

マーケティングリサーチャーになる大前提として、数字が嫌いでないかは重要です。文系・理系はそこまで関係なく、数字の羅列を見ていられなかったり、数字を数えることが苦手といった気質がある人は、主となる業務を続けることを苦痛と感じてしまうことがあるでしょう。

一方で、データを扱うのが好きで、その変化から人の思考を読み取ることに楽しさややりがいを感じられる人は、マーケティングリサーチャーの仕事にマッチしていると考えられます。

ロジカルシンキングが得意

データから課題を洗い出し製品を生み出すまでが仕事であるマーケティングリサーチャーは、根拠にもとづく論理的思考が必要とされます。

第三者から、企画案の理由を聞かれた際には「なんとなく」ではなく「こうだから」と明確な理由を説明できる必要があるのです。もちろん、主観ではなく客観的な視点で分析することが必要であるため、論理的・客観的判断ができることが重要です。

何かを生み出すことが好きな人

何もない状態から新しい製品や企画を生み出すことにやりがいや楽しさを感じる人は、マーケティングリサーチャーへの適職があるでしょう。1を100に改善することもマーケティングリサーチャーの仕事には含まれますが、ゼロから発案する作業

マーケティングリサーチャーになるには

マーケティングリサーチャーへ転職する選択肢としては、主に次の3つです。

  • コンサル会社
  • マーケティング会社
  • 企業のマーケティング部門

では一つずつ解説していきましょう。

マーケティング会社

マーケティング会社とは、企業の製品・サービスのマーケティングに関するサービスを提供します。専門的な知識を使い、クライアントのマーケティング市場の調査・戦略を練る代行企業のようなものです。

同じマーケティング会社でも業界特化などの特徴があるため、目指すのであればどういったジャンルを選ぶのかを前もって考えておくといいでしょう。また、マーケティング会社は日系と外資系に分かれます。外資系になると自然と転職難易度も高くなるので、語学力や学歴を求められるでしょう。

マーケティングリサーチャーが未経験で、これまでの業界知識を活かした転職を狙うのであればマーケティング会社への転職がおすすめです。

コンサル会社

マーケティングリサーチャーの転職先の一つとして、コンサル会社があります。マーケティング会社と同じく、企業から依頼を受けマーケティングリサーチをおこなう点は変わりませんが、コンサル会社は課題解決が主となる業務なので、市場調査は過程のうちの一つとなります。

そのため、コンサル会社に勤める場合は「コンサルタントとして市場調査をおこなう」場合と、「コンサル会社のマーケ担当」としての場合の2種類に業務が分かれるでしょう。マーケティングリサーチ専門で仕事をしたい人は、業務内容をよく確認することが必要です。

一方で、コンサルティングを一括して行いたいという人にはもってこいの職場だと言えるので、総合的な知識を学ぶ場としてぜひチャレンジしてみましょう。

企業のマーケティング部門

マーケティングリサーチャーの転職先として、企業内のマーケティング部門という選択肢もあります。製品開発をおこなっている企業の部署のひとつとして、市場調査を行うものがあり、そこに配属されるイメージです。

企業内に専門の部署があるということは、企業規模が大きい可能性が高く、転職難易度も上がりやすい特徴はありますが、その企業製品に特化した経験を積むことができるので、興味のある分野が決まっている人はやりがいを感じられるでしょう。

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