デジタル(オンライン)・オフラインを問わず、マーケティングに興味のある方は「ブランド」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
企業にとってブランドイメージはとても重要であり、その向上に莫大な広告予算をかける企業もいます。
そこで本日はブランディング広告についてまとめました。
ブランディング広告とは、ブランドの認知拡大や理解度を上げることを目的とした広告群のこと
ブランディング広告とは、直接購買などの成果に繋がらずとも、ブランド認知拡大やブランドへの理解度を上げることを目的とした広告群の事です。
TVCMや交通広告、雑誌広告などは、まさしくブランディング広告と呼べます。
従来は、
・レスポンス(ブランディングの対、成果獲得特化の広告)にはオンライン広告を活用する
・ブランディングにはマス広告を活用する
といった棲み分けが成されてきましたが、アドテクを始めとする広告テクノロジーの進化や、様々な媒体、デバイスの広がりや通信環境の進歩により、オンライン広告においてもブランディング活用されるケースが増加しています。
レスポンス広告との違い
レスポンス広告との違いは配信する目的の違いにあります。
レスポンス広告の目的はブランドや認知の向上に対して、レスポンス広告の目的は顧客の獲得です。
もう少し詳しくお話すると、ブランディング広告の場合、自社商品が属するカテゴリ内で第一想起を獲得することが目的であり、コカ・コーラでいうと、炭酸が飲みたいと思った時に一番にコーラを検討してもらえるか、になります。
対して、レスポンス広告はその場で商品を購入してもらうことが目的なので、商品の金額や値引き率、特典などを強く訴求する場合が多いです。
広告配信媒体にも違いがあり、ブランディング広告は不特定多数の人にリーチできるTVCM、レスポンス広告は商品のターゲットに合わせてセグメント分けが可能なメール広告、バナー広告などになります。
大和ハウスに学ぶ、ブランディングの事例
ハウスメーカー全体が抱える悩みとして、住宅展示場で丁寧に顧客へ説明を行うが「結局どの住宅展示場が良いか分からない」と言った声が上がりがちです。
そこで大和ハウスは、住宅展示場に行く前に「大和ハウス」を選んでもらえる存在にする施策が必要と考え、顧客のニーズに沿ってオウンドメディアやSNSを構築し、更に各メディアを連動させたことにより、刈り取りの導線も整備しながらもブランディングを高めた事例です。
住宅メーカーの大和ハウスは、マイホーム選びの課題を「お客様に選んでもらう」ことに注力しSNSとオウンドメディアを中心にコミュニケーションを展開しています。
まず、オウンドメディアは2種類に分かれており、一つは「注文住宅商品サイト」です。
これはすでに大和ハウスへ興味のある方に情報を提供することが目的です。
もう一方は、大和ハウスへの興味関心の有無を問わず、住まいづくり全般に興味がある方向けの「TRY家コラム」です。
ここでは、住宅ローンや税制事情、建築費用に関することから、土地やスケジュールに関するアドバイス、間取りや暮らし方のヒントなど、多岐にわたる住まいづくりのお役立ち情報を提供しています。
メディアを2つに分けて運用することも手間がかかりますが、大和ハウスでは更にファン向けのチャネルとしてSNSを使った広告も活用しています。
新居に対して興味を抱くコンテンツになっています。
それもそのはず、オウンドメディアの「TRY家コラム」とソーシャルメディアは相互にリンクしており、かつ「注文住宅商品サイト」に送客するような導線になっています。
その狙いは、住宅展示場来場と資料請求へのコンバージョンに結びつけることです。
そのために重要な役割を果たすのが、興味関心をもってもらうためのコンテンツだ、と大和ハウスは位置付けており、興味関心層が多いSNSから住宅展示場への来客と見事な導線でつながっています。
また、キッチンカタログも刷新を行っており、ここでもオウンドメディアの「TRY家コラム」と内容が重複しないようにコンテンツ作りには気を付けています。
この事例のポイントとしては
・お客様のニーズをしっかり把握し、ニーズに合わせて複数のブランドを形成している点
・ブランディング系のコンテンツを自然な流れで繫げているので、ユーザーに広告と思われずに資料請求というダイレクトな指標につなげている点
だと考えます。
ブランディング施策も適切なターゲットに配信出来なければ、意味のない施策になります。
レスポンス広告と比べて指標が明確でない分、ユーザーにどのようなニーズがあるのか、また”誰に”対して配信したいのかを施策前にしっかり考えることが重要だと考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
短期的な売上をあげる、という意味では直接的なCVを生むレスポンス広告が有利ですが、顕在層にしかアプローチ出来ないため、配信を続けると対象ユーザーも少なくなり、徐々に広告の効果も弱くなります。
短期的にはレスポンス広告で顧客を獲得しつつ、中長期的な目線でブランディング広告をうまく活用し、マーケティング活動を行っていくことが重要です。