ここではマーケティングを仕事にしたい方へ、マーケティングの基礎から転職方法についてまでをご紹介します。
マーケティングとはそもそもどんな仕事であるのかを解説し、転職後の働く姿を具体的にしながら、「マーケティングには自分は向いているのか?」という疑問も解決していきましょう。
マーケティングの将来性や未経験からの転職ポイントも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
マーケティングの意味・概念・種類
まず始めは「マーケティングってそもそも何?」という基本的な疑問を解決していきましょう。マーケティングの意味に加え、言葉の起源や種類について解説します。
ビジネスの場では商品やサービスの販売戦略を指す
そもそもマーケティング(marketing)とは、直訳すると市場取引といった意味がありますが、ビジネスの場では商品・製品・サービスを売るための仕組みづくりという概念で認識されています。
消費者のニーズの移り変わりが激しく、数多くの製品やサービスが売り出されている現代では、商品を販売するためには、ただ作るだけでは購入につながりません。「どんな人へ売るのか」「どうやって認知してもらえるのか」「商品を買って何を感じてもらうのか」といった、手にとって購入してもらうまでの作戦が必要となります。
そこで必要となるのがマーケティング(販売戦略)を考える職種であり、マーケターとして社会のさまざまな企業で活躍しています。企業の利益を大きく左右する、キープレイヤーとして非常に重要な職種と言えるでしょう。
マーケティングの起源はアメリカ発祥
もともとマーケティングの概念が生まれたのはアメリカからと言われており、発祥の要因は18世紀(1700〜1800年代)ごろのイギリス産業革命と考えられています。(参照「アメリカ・マーケティングの形成とその進化」)
当時、生産システムの改革を行い商品の大量生産を可能とし、国内だけでなく国外にある植民地へもその販売域を広げていました。そんなイギリスに対立したかったアメリカですが、当時は植民地をもっていなかったため、国内需要をいかに高め商品販売をするか考える手法が必要だと考えつき、それがマーケティングの起源となるのです。
マーケティングの種類は大きく分けて3つ
マーケティングは商品販売の戦略を考えることですが、対象となる商品・媒体・手法により種類が大きく3つに分かれます。
<マーケティングの種類>
オフラインマーケティング | インターネットを活用しないマーケティング |
デジタルマーケティング | デジタルチャネル(メール・SNS・インターネット)を通じて行うマーケティング |
Webマーケティング | デジタルマーケティングの中の1つでWebのみに特化したマーケティング |
オフラインマーケティングは、オフライン(接続されていない)物を使うマーケティングなので、対面で行う展示会やイベント・ダイレクトメールなどを使用としたマーケティングです。
その対称となるデジタルマーケティングは、SNSやWeb広告・Eメールなどのデジタルを使用したマーケティング手法で、パソコンやスマホ使用率が高い現代では、主流となるマーケティングです。デジタルマーケの必要性の高さを表すかのように、Webサイトからのマーケティングに特化したWebマーケティングが生まれています。
オフライン・デジタルマーケティングは、領域の広さから求められる経験や知識の幅も広いことに対し、WebマーケティングはSEOやWeb広告、サイトのUI/UX改善などの特化した知識が求められることが特徴です。
マーケティングの仕事内容
マーケティングの意味や種類がわかったところで、マーケティングを行うための仕事はどのような内容なのかを解説していきましょう。マーケティングをするには、商品や手法により多少の差はありますが、大きく分けて次の4つに分けられます。
- 市場調査・分析
- 商品企画
- 営業企画・販売促進
- 広告・宣伝
市場調査・分析
まずは売り出す製品の市場調査からどのようなニーズがあるのかを分析します。アンケート・街頭インタビュー・座談会など、対象とされる消費者の意見が集まりやすい場所をターゲットとし、リアルな意見をあつめます。
ここで活躍するのはマーケターはもちろん、マーケティングリサーチャーといって分析を専門としたポジションを作っている企業もあります。座談会やインタビューは対面の仕事となるので、時間の確保やアポイント取りなど、手を動かす実務的な作業が多くなるフェーズです。集めた意見を集約し、そこからどのようなニーズがあるのかを調査するまでが第一段階です。
商品企画
分析から出た結果を元に、商品企画を行います。ここでは企画担当者とともに業務を行う場合が多く、マーケティング視点の意見をわかりやすく明確に伝えることが必要とされます。
マーケティング支援会社の場合は、他社に企画案をプレゼンテーションする場合もあるため、企画商品を魅力的に伝える資料作りも作業のひとつです。企画は商品そのものを考える場合・商品の改善を行う場合・商品名やパッケージを提案するなどさまざまです。
営業企画・販売促進
商品企画が通れば、消費者へどう届けるかという営業活動・販売方法についても考えることもマーケティングの一貫です。営業担当とともに、販売手法・販売ルートなどを考え、ときには販売会などのイベントを企画することもあるので、マーケティング担当もそのときどきで幅広い業務に参加することになります。
広告・宣伝
企画した製品の認知度を上げることもマーケティングの仕事には含まれます。対象となる消費者の目に触れやすい販売手法を考え、テレビであればCM、インターネットであれば広告デザインなど、クリエイティブ職と一緒に制作過程にも関わります。
マーケティングの仕事の平均年収
求人ボックスによるとマーケターの平均年収は492万円とされています。しかし、マーケティングは領域・企業規模・役割・仕事内容によって年収の差がかなり開くため、平均年収はあくまでも参考値とすることをおすすめします。
実際に、マーケティング企業の一例として、IT業界のトップ企業であるマイクロソフト社のマーケターは平均年収1425万円を可能としています。(参照:「マーケティングの年収が高い企業TOP20」)
企業が受けている案件規模による単価、業務にマネジメントが含まれている、クライアントが国内か国外か、などのさまざまな要因の差によって平均年収は異なります。
転職後に後悔を生まないためにも、応募したい企業の平均年収や昇給をしっかりとチェックし、自身の希望額を可能とするかどうか念入りな下調べをしておくことが必要です。
マーケティングに向いている人の特徴
次は、マーケティングの仕事に向いている人の特徴を紹介していきます。今回は、資格のようなスキルではなく、経験や考え方などの社会人スキルに観点を置いて解説していきましょう。重要なのは、これら一つでも該当するのではなく、複数該当することでマーケティングの仕事が向いていると考えることです。
自分の性格やスキルを客観視し、次の内容とすり合わせしてみましょう。
問題解決が得意
マーケティングの仕事は、「商品を売りたい」「購入率を改善したい」といった、何かの課題解決の作戦を立てることが主となります。そのため、問題を解決するためのプロセスを立てるのがうまい人や、課題解決に達成感を感じる人は、やりがいを持って仕事に取り組むことができるでしょう。逆に、事務職のような目的が決まっている仕事に対し、黙々とやり続けることが好きな人はマーケティングには不向きな面があるかもしれません。
ロジカルシンキングができる
マーケティングはデータや明確な結果をもとに、根拠のある戦略を練る必要があります。そのため、客観視した意見を論理的にとりまとめ、相手に伝えることが得意とする人は適職であると言えるでしょう。マーケティング経験がなくとも、何かを説明し証明する仕事が得意な人や物事をだれにでもわかるように説明できる人が向いています。
データや数字を見るのが苦にならない
マーケティングの仕事では、分析データ・売上数量・目標数値などの数字をみ続けることが必須となります。日々、数字やデータと向かい合う業務となるため、数字を見ることが苦になる人には続けづらい仕事と言えるでしょう。逆に言うと、統計学や分析学に興味がある人にはピッタリであると言えます。
トレンドに敏感
マーケティングに使用するツールや手法は流行り廃りが多く、その時の流行に敏感な人でなくては消費者のニーズを捉えることができません。また、営業ツールとして使うSNSの使い方も理解しておく必要があるでしょう。常に自身の情報をアップデートしつづけ、新しい視点から解決策を探る貪欲さを持つ人がマーケティングの仕事には向いています。
マーケティングの将来性
商品を開発・販売できるのが決まった企業だけでなく、企業規模を問わない市場参戦が可能となった現代では、マーケティングという仕事の将来性は高く、これからも企業から必要とされる仕事であることが考えられます。
特に、デジタルマーケティングの領域では、インターネット市場の拡大や広告費用増加の傾向によりウェブマーケティングを中心とした需要が今後も高まることが予想されるでしょう。
しかし、将来性のある業界へ就職したからといって、自身のスキル向上が伴わない場合は、市場で生き残れない可能性もあります。デジマ領域では特に、データ解析やAI技術の進化により、より正確性の高いマーケティング戦略を組み立てることもできるようになっているため、その技術を使用できる知見やスキルがマーケターには求められているのです。
自分自身の将来性を高めるには、常に向上心や研鑽が必要である仕事という理解が必要です。
マーケティングの仕事に未経験から転職することは可能?
転職は可能だがステップと仕事内容を検討すべき
マーケティングの仕事に転職するには資格は不要なため、未経験からでも転職することは可能です。しかし、実務経験が必要とされる場合が多いので、まずは広告業界・IT業界の営業職からマーケティングの元となる案件の受注を獲得するポジションを経験することもおすすめです。
未経験からマーケティングの仕事を目指す場合は、事業会社のマーケティング部門は難易度が高いため、マーケティング支援会社への転職を目指す方が得策でしょう。マーケティングの内容もコンテンツマーケティングよりは、需要も高く求人も多いWebマーケティングなどが狙い目です。
転職を確実にするためには事前知識とスキルをつけよう
未経験からマーケティングの仕事へ転職する前には、認定資格であるマーケティング検定などの取得をしておくといいでしょう。全くの未経験よりも、実務経験がなくとも最低限知識がある人の方が、企業側からも歓迎されやすく、自分自身も業務に馴染みやすいメリットがあります。
年齢によって転職の難易度は異なるので要注意
マーケティングの仕事へ転職する場合、未経験だったとしても35歳以上を超える転職は、将来性の面から採用通過しづらい可能性もあります。応募の際はその企業の平均年齢や募集要項の「求める人材像」などに書かれている内容にも注目してみましょう。
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