digireka!では、デジタルマーケティング領域専門の転職支援を実施しています。アルゴリズム領域における最先端技術を有し、国内最高峰の技術者・研究者が集う東証マザーズ上場企業といえば、PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)です。今日は、同社の2018年9月期通期決算資料から、直近の業績についてまとめていきます。
そもそもPKSHA Technologyとは?
PKSHA Technologyとは、東京都文京区に本社を構える、従業員数73名の東証マザーズ上場企業です。
主たる収益源は、アルゴリズムライセンス事業になります。
これは、同社が独自で開発を行う機会学習・自然言語処理・深層学習等に係るアルゴリズムモジュールを、顧客企業のソフトウエア・各種ハードウエア端末向けに組み込むライセンス事業と、アルゴリズムモジュールを組み合わせた自社ソフトウエアを構築し販売するライセンス事業、主に二つのビジネスモデルで構成されています。
有限責任監査法人トーマツ主催の、日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした収益(売上高)に基づく成長率のランキング、「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 日本テクノロジー Fast 50」において3年連続でランクインするなど、急成長を遂げています。
2018年9月期通期決算概要
売上高、営業利益ともにYonYで大きく伸長しています。売上高は二年前と比べて3倍以上になっています。
驚くべきは営業利益率の高さで、約40%と非常に高い営業利益率です。
今期の大幅な増収増益は、新規案件獲得が進んだことに加え、既存顧客に対するライセンス料の積み上げ、自社ソフトウェアの拡販、いずれも拡大したことが要因です。驚異の営業利益率50%をたたき出していた時期もありますが、中長期的な成長を見越した開発投資や新規事業への先行投資などにより、若干の落ち込みを見せています。それでも非常に高い水準ですが。。。
売上高構成
売上高構成を見てみましょう。
アルゴリズムソフトウェアの販売、アルゴリズムモジュールの提供、それぞれおおよそ50:50の割合となっています。
この数年で、アルゴリズムソフトウェアの拡販が進んでいることが見て取れます。このペースでいけば、ゆくゆくアルゴリズムソフトウェアの販売が収益の中心となっていくのではないでしょうか。
アルゴリズムライセンス事業について
同社の収益源となるアルゴリズムライセンス事業について深掘りしてみてきましょう。
アルゴリズムモジュール/ソフトウェア共に、初期設定時におけるイニシャルフィーと、設定/導入後のライセンスフィーで収益が生まれる仕組みになっています。
いずれのサービスも、ユーザーが使えば使うほどデータが蓄積され、アルゴリズム精度ならびにユーザー体験の向上が期待できる仕様となっています。
アルゴリズムライセンス事業の強みは、高い継続率と、積上モデルの収益構造にあります。
先端施術領域である機会学習・自然言語処理・深層学習等に係る独自のアルゴリズムに対する需要は高く、インバウンド型で案件受注可能な体制を有していることに加え、データの蓄積によりプロダクトの精度が高まる特性により、高い顧客継続率を誇ります。更には、プロダクトの基幹ともいえるデータ処理領域を押さえるため、周辺領域を置き換えるクロスセル提案がしやすいビジネスモデルとなっており、営業利益率を高める要因となっています。
今後の戦略について
以上を踏まえた同社の今後の戦略ですが、
■アルゴリズム精度向上+ラインナップ拡充
■アルゴリズム適応ドメイン・提供顧客の拡張
■アルゴリズム提供形態+ビジネスモデル進化
以上3軸を公表しています。
アルゴリズム精度向上+ラインナップ拡充については、既存のアルゴリズムモジュールの導入が加速化されることで、データの循環による精度向上が期待出来ます。
アルゴリズム適応ドメイン・提供顧客の拡張については、PKSHA Asia Algorithm Fundの設立(知能化技術・ロボティクス技術周辺領域の、国内およびアジア・中国・インドなどの海外企業を投資スコープとする投資ファンド)、PKSHA SPARX Asia Algorithm Fund1号の計画(スパークス・グループ株式会社協業で運営される投資ファンド)により、知能化周辺技術への投資をおこなう事で、対象ドメインの拡大を目指していくことを発表しています。これにより、現在同社が主軸としているナショナルクライアント層から、ミッドマーケット/スモールマーケットの顧客群まで顧客幅を広げていく意向です。
アルゴリズム提供形態+ビジネスモデル進化においては、従量課金型ライセンスの提供を開始しており、引き続きサービス提供幅の拡大を目指します。
既存のアルゴリズムモジュール・ソフトウェアによる収益性を拡張しつつ、
同社が誇る研究開発力を基にしたR&D・投資によりさらなるドメイン拡張を目指していく方針です。
まとめ
如何でしたでしょうか?高い成長性が見込まれる市場において、圧倒的な技術力・収益モデルを有することが存分に理解できる内容でした。
今後も更なる成長が期待できる、超有望企業であることに間違いありません。
PKSHA Technologyへの転職をご検討されている方は、是非参考にしてみてください。
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