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変化の激しいFacebookを取り巻く状況について、まとめてみた

最近、良くない話題が続くFacebook。2018年3月の個人情報流出・不正利用は大きな社会問題となり、連日メディアに大きく取り上げられ、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は二日連続で米議会の公聴会で証言台に上ぼりました。

また、それより少し前の2018年1月には、タイムラインのフィード改変を行いfacebook経由でのリーチを主にしていたパブリッシャーに対して大きなダメージを与えました。今回は、変化の激しいFacebookを取り巻く状況を整理すべく、その現状についてまとめました。

家族や友人の投稿を優先するフィード改変

これは、2018年1月11日にFacebookが行ったフィード変更で、パブリッシャーやブランドのFacebookページ投稿より、個人の投稿を優先するフィード改変です。この改変は、ユーザーが接触するパブリッシャーやブランドから発信されるコンテンツの量が減少する事を意味しました。

つまり、パブリッシャーやブランドにとっては、Facebookのオーガニックリーチが減少してしまうため、ページの閲覧数を担保するためには、有料リーチによって費用を掛けなくてはなりません。

フィード改変がパブリッシャーを閉鎖に追い込む

このフィード改変は、悲劇を生みました。改変から2ヶ月も絶たないうちに、アメリカのバイラルメディア運営企業「リトル・シングス(Little Things)」が閉鎖に追い込まれました。このフィード改変によって、オーガニックリーチの75%が消えたということです。

リトル・シングスはFacebookに極端に依存しており、そのトラフィックのほとんどがFacebook経由でした。しかし、こうしたパブリッシャーはリトル・シングスだけではなく、多くのパブリッシャーにとってFacebookは重要なトラフィック源になっており、実際にリトル・シングスに続いてクッキングパンダやレアといったパブリッシャーが閉鎖を余儀なくされました。

広告主にとって、フィード改変はチャンス?

一方、Facebook広告を活用する広告主にとってはチャンスともいえます。というのも、この改変はペイド広告には影響がないからです。

つまり、パブリッシャーからの無料の投稿が減り、ペイド広告の露出が増えるという事は、CPM低下の可能性が高まります。

高くても使いたくなるFacebook広告

上記を受けてFaceobook広告の出稿費用は値上げが成されましたが、それでもFacebook広告のCPAは、他のDSP広告やリスティング広告よりも低く抑えられる傾向があります。

理由は2つで、1つがCPCの低さ、もう一つがターゲティングによるCVRの高さです。通常のWebの世界に比べるとFacebook上の広告ライバルは多くなく、またフィード上の広告はネイティブ広告の体を成していることが多く、CTRが高い傾向にあります。

ターゲティングに関しては、Facebook広告は、通常のインターネット広告では知りえないFacebookに登録されているユーザーの細かな個人情報を元にターゲティングを行い、広告を配信するので、CVRが高まります。

値上がりはしているものの、他の広告に比べると、まだまだ魅力的な広告となっています。

個人情報流出問題について

起きたこと

Facebookから個人情報の流出が発覚したのは、2018年3月17日のことで、被害件数は8,700億人と言われています。発覚したきっかけは、イギリスの選挙コンサルティング会社Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)の元従業員が自社の業務にFacebookから得た個人情報を流用していたことを告発したためです。

個人情報の入手経路は、ケンブリッジ大学コーガン教授がFacebook上で公開した性格診断アプリで、ここからユーザーの同意を元に得た個人情報をCambridge Analytica社に譲ったこと(違反行為)が始まりで、その後Cambridge Analytica社はこの個人情報を選挙のコンサルティングに利用しました。Facebookは、2015年にこの個人情報を削除するように依頼をしましたが、実際のところは削除されておらず、2018年になって問題が明るみに出たという話です。

問題点

Cambridge Analyticaとコーガン教授の問題点

世論の大半は、Facebookは個人情報をきちんと管理すべきで、プラットフォーマーとして自覚が足りないという意見ですが、実質的には、コーガン氏がCambridge Analyticaに個人情報を流出させたことや、それをCambridge Analyticaが受け取ったこと、選挙に二次利用したことが問題です。

Facebookの問題点

Facebookとしては、これまで一度もハッキングされたことや、個人情報を流出させたことはなく、セキュリティ体制には自信があるので、今回の個人情報の流出の責任は自分たちにはないという考えです。

しかし、この姿勢が反感を呼び、「Cambridge Analyticaが削除依頼後、本当に削除をしたか確認したのか」、「なぜ個人情報が譲渡されたことを知っていたのか」とFacebookの個人情報管理へ厳しい指摘がなされました。また、ハッシュタグ「#deletefacebook」がある種ムーブメントになり、イーロン・マスクがFacebookページを削除するなど各界の著名人もこの世論に賛同しました。

Facebookの対策

こうした世論に対し、FacebookのCEO・ザッカーバーグ氏は、2014年にすでにアプリ公開時や利用時のポリシーを厳しくしたので、このような問題はもう起こらないとしていますが、追加で対策を発表しています。

多くの個人情報を取得するアプリを監査対象に

コーガン氏が公開したアプリと同じ方法で個人情報を吸い上げられる全てのアプリをFacebookの監査の対象とし、受け入れない場合はアクセスを禁止します。

個人情報を悪用しているデべロッパーのアクセス禁止と被害者への周知

デべロッパーが個人情報を悪用していると発覚した場合はアクセス禁止とし、被害者にはその事実を周知します。

ユーザーデータの利用制限

直近3カ月間Facebookを使用していないユーザーデータへのアクセスを禁止したり、契約を交わしたアプリ開発者であっても、公開するユーザーデータは、名前やプロフィール、写真、電子メールアドレスに留めるなど、一部のユーザーデータに対し利用制限を設けています。

アクセス状況の可視化

アプリ開発者がユーザーの投稿などFacebook上のデータにアクセスする場合は、ユーザーからの同意と、Facebookとの契約が必要になります。Facebookは自社の独自ツールによって、ユーザーが自分のデータにどのようなアプリがアクセスしているか簡単に確認できるようにします。

世界的法規制がFacebookを苦しめる

GDPRやITPなど個人データやプライバシー保護のための法規制が世界的に始まっています。個人データをたくさん有するFacebookにとって、そうした法規制はどういった影響を与えるのでしょうか。

GDPR

今年5月にEUで施行されたGDPRの適用は個人データの収集次第を禁止するものではないので、Facebook自体が運営の規制を受けることはありません。しかしながら、外部の企業がFacebookから入手した個人データの取り扱いに関しては規制対象となります。これにより、別のプラットフォームやDMPではFacebookから入手した個人データの処理や細かなオーディエンスの追跡ができなくなり、広告効果の検証やトラッキングができなくなり、そもそもの広告効果自体が減ってしまいます。
そうなるとFacebookは大きく広告収入を失ってしまう可能性があります。

ITP

Appleが2017年からSafariに実装を始めたITPですが、Facebookを毎日使うユーザーへの追跡機能は永続的に維持され、トラフィックはITPの影響を受けませんでした。しかし、続いて今年2018年に発表されたITP 2.0においては、Facebookの追跡機能も、ポップアップの警告文と共に追跡がブロックされてしまいます。ユーザーの同意がない以上、Facebookの魅力である精密なターゲティングも不可能になるので広告収入を減らしてしまう大きな原因になりかねません。

Cookie法

Cookie法(正式名称:eプライバシー規則)は、EUがGDPRに続いて施行を検討しているプライバシー保護法ですが、これはGDPRより規制が強くFacebookによる独自のデータ収集を制限します。ログイン情報は利用できるものの、フィードの最適化やターゲティング広告を配信するための追跡データの収集は全てユーザーの同意が必要となります。

さらには、Cookie法には各種ブラウザに対して、標準設定を『Cookieの付与を受けない』とするよう求める内容を含めることも検討しており、そうなるともはやFacebookをはじめとするプラットフォームやメディアはビジネスの根幹である広告収入を失ってしますので、サービスが成り立ちません。

そのため、EUの広告業界団体(Amazon、Facebook、Google、Apple、Microsoft、ヨーロッパの大手デジタル企業、広告会社、PR代理店、媒体社など)は、Cookie法に対して同規則は人々の役には立たず、利用者の利便性を損ね、非生産的であると欧州議会に猛反発しており、実際の施行はまだ先になりそうです。

まとめ

今回は、取り巻く状況変化が激しいFacebookの現状についてまとめました。Googleと並ぶ巨大プラットフォーマーは逆境に対しどのような動きを見せるのか。これまで様々な仕様変更やサービスを生み出し、世の中に新しい価値やトレンドを提供してきたFacebook。ザッカーバーグ氏の発言も含め、要注目です。

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